国連の女性差別撤廃なんちゃらが、「女性天皇」を推しているのに、もう一言。
国王や天皇が女性であることと、女性差別がなくなることはなにも関係ない。
女性差別は社会の構造の問題である。
イギリスでは女性が王様になることが比較的多い。なにしろ王位継承権をめぐって、王子同志、兄弟同士で壮絶な争いが繰り広げられ、殺しあったりしているので、はじめから、その争いには、はずれている王女様に王位が転がり込んでくることが多いのだ。その場合、女性のほうが長生きするし・・・。現在のエリザベス2世もそうだが、(2世なので、もう一人エリザベスという女王様が昔いた。ヴィクトリア女王以前の女王様だが、彼女はなんと、ロンドン塔という王族用の牢獄の囚人から一足飛びに女王になるというものすごい変化を体験した)何といっても、イギリスがまだ大英帝国とよばれて、現在のアメリカやインドも含めた最大の領土を実現したのは、ヴィクトリア女王の時代である。「大英帝国に日は沈まない」といわれたのもこのときである。
そんな偉大なヴィクトリア女王の時代であるが、女性の権利に関しては最悪の時代といえる。
ヴィクトリア朝の小説を見ると女性はなよなよしていて、ちょっとしたことですぐ気絶。
紳士たるものレディを守らなくては!といった風なものばかりである。家庭では天使と持ちあげられても、権利だの、外で仕事をするだのはとうてい考えられない。ちょっとでも活発だと、おてんばとなじられたのである。
英語でよくつかわれる「ヴィクトリア朝の」という形容詞は、「男尊女卑の」という意味も含まれている。とりわけ、男性の態度に使われている場合は間違いなくこの意味である。建物に使われた場合は建築様式の意味であるが。
だから、女王や女性天皇と、男女平等はまったく関係ない。
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