酉の戦士が思った以上に策士かつ演技派だった件。
実は彼女は戌の戦士の能力を知っており、ドーピング目当てで彼に接近したのです。そしてまんまと目的を達成したうえに、戌の戦士を殺すことに成功します。さらに鳥を操る能力でゾンビ化した亥の戦士を《ついばんで》倒すという。彼女の行動が全て計算されていたことに驚かされます。
ところが、そこから彼女の運命は坂道を転がり落ちます。
彼女は子の戦士の案内で申の戦士と会いますが、手を組むという申し出を断ります。そしてその後、遭遇した丑の戦士と戦い、あっさりと殺されてしまうのです。
なぜ、彼女は丑の戦士と戦ってしまったのか。
そもそもなぜ申の戦士の申し出を断ったのか。
適当に話を合わせておき、無防備な2人の隙を突いて殺すことは可能だったはず(と彼女自身が自問している)。けれど彼女には出来なかった。
自分を信じ切った申の戦士の背中を見ていると、今で誰も信じたことがない、これまでの人生が蘇ってきて居たたまれなかったのです。
酉の戦士「あまりに裏切りすぎて、もう誰が本当の敵なのか、誰が本当の味方なのか、とっくに分からなくなってしまった」
けれど、彼女は申の戦士が本当の味方になってくる存在だと、心のどこかで分かっていたのではないでしょうか。
彼女は初めて信じることが出来る人間と出会った。だから丑の戦士が申の戦士の存在に気づいたとき、戦わずにいられなかった。
だとしたら、彼女を殺したのは丑の戦士ではなくて、彼女自身の運命に操られて殺されたと言った方が良いかもしれない。
どことなく、上遠野浩平先生の『ブギーポップシリーズ』に出てきそうな感じの娘です。彼女はドーピングのせいにしていましたが、もしドーピングがなかったら、もっと正確に自分の心理状態を把握することが出来たでしょうか?
いずれにしても皮肉な結末だと言わざるをえません。酉の戦士の背負った過去、そしてその結末に胸をえぐられましたが、短い時間に彼女の人間性や運命を描き込んでくれたと感じました(´;ω;` )
酉の戦士がもっと早く申の戦士と出会っていたら、彼女の運命はもっと違ったかもしれない。そんな if を見てみたいと思いました (ノω^q)
・・・ていうか戌の戦士の扱いが悪くない?(; º言º)