柔らかい管の集合体内部で揺曳する細かい粒子の大群、泡沫。 -7ページ目

日常に於いて堆積してくるいろいろなもの、敢えて言うのであればネタを大事に大事に取っておいたのは、いつかもしかしたら大事なところで使うかもしれないなと思っていたからで、ただその機会が今まで一度も無かった、というかこれからも無い、いやそれどころか必要になるときが一向に見えてこない、というのが現状、脳みその中身を大事にし始めてからの状況であって、

しかし、そうこうしている内に、いよいよそれらが脳内で腐りはじめたということを実感させられたのは最近になってから。

引き金は、鼻水だったのだけれども。というのも脳内の腐敗物が鼻腔を通っておりてきたのだなと、それは一昨日の朝、風呂場で確信した。

もちろん実際、それらが白血球の死骸であったり、埃であったり、とにかく脳みその腐敗物から生まれたヘドロのようなものでないということは分かっていた。分かってはいたが、それでは納得できないというか、見過ごせなかったのは、鼻の下の人中穴に触れる粘液を感じたとき、耳の内側で小人が小さな鐘、ちょうど競輪の終わりの周回にならすようなそれを鳴らして、眼球の裏では赤色灯が見えない光を放っているような感覚を覚えたから。ちなみに私は小学生の時分アンモニアを瓶から直接嗅いだときに、同じ感覚を覚えたことがある。

して、それ以来もう、脳内で旋回しているのは在庫処分セールのことで、つまりはその腐りゆくネタを出せる内に出してしまって、自分の持ってるネタを売り払ってしまわなければと。そして、そうなればネタの循環が起こって脳みそも新しくなるのかなと、いうのがはじまりであります。