(サマータイム)左手をなくした広一くんですが、どんな時でも他人の手を借りることを断ります。そんな広一くんはピアノが本当に好きで、ピアノに関することだけは他人の手を欲して、左手で伴奏をつけてくれる人を、しみじみと好きになってしまいます。そんなひと夏の夢のような出来事から6年、広一くんと再会したぼくは、広一くんの伴奏をするためにピアノを続けていたような気がするのです。幼少のときの何かが発端となって後の人生に影響を与え、青年となった時の何かとつながる感覚は、確かにあるのかもしれないなあと共感しました。