【再読】女の子たちが生活を立て直してリボンハウスを卒業するということは、踏切板を踏み切って社会に飛びだしていくようなもの。そんなリボンハウスはテイクオフ・ボードだと言います。だから卒業した人の中にはかつてリボンハウスにいたことを伏せておきたい人もいるかもしれない。だってそれは今が幸せである証拠だから。ですから乙美の四十九日の宴会には、リボンハウスを巣立った人たちは現れないと思っていました。それなのに、多くの人が乙美の四十九日の宴会にかけつけてくれて、その様子の描写にあふれるような感動が心に満ちました。