ある所に
おじいさんとおばあさんが住んでおりました
おじいさんは週3回
病院に行くためにバスを使います
おじいさんがバスに乗るまで
おばあさんがバス停まで送り
おじいさんが帰ってくる時間に
おばあさんはバス停で待ってました
それはそれは仲の良いご夫婦で
ある一人の運転手さんから
「いっつも仲良いなぁ~ヒューヒュー」
と、祝福されておりました
そんな話をおじいさんに聞いたのか
おばあさんは買い物に出た時には
その運転手さんに
パンを買って渡しておりました
ちなみに
目を細めてニッコリ笑うおばあさんは
こんなお顔をされてます

ある日の事
おじいさんが一人でバス停にいました
「あれ?奥さんどーした?」
と、尋ねると
「ちょっと入院しての…」
「マジ?なんで?」
「………」(←後ろ向いたら聞こえない)
数日後
また一人で乗ってきたおじいさん
「まだ入院してるん?」
「うん、ちょっとかかるかのぉ…」
「そぉかぁ…おいちゃん大丈夫か?」
「………」(←後ろ向いたら聞こえない)
さらに数日後
また一人で乗ってきたおじいさん
「奥さんどーよ?」
「退院したけど、まだちょっとな…」
「そーかぁ~…退院しただけでも良かったやん」
「………」(←後ろ向いたら…以下同文)
さらに数日後
ついにおじいさんと
おばあさんが仲良く立ってました
バスの向こうで
ニコニコ笑って
何度もお辞儀するおばあさん
良かったぁ~
無事に元気になったようです
家はもちろん
名前も知らないご夫婦ですが
妙に嬉しくなりました
また
パン頂けます(←ソコ?)