バレンタインの翌日朝に
いつものミキちゃんが乗ってきました
「おはよー」
「おはよ…」
「なんか元気ないな」
「昨日、ちょっと寝るん遅かってん、9時半ぐらいに家帰って女友達にあげるチョコ作って、お風呂1時間半ぐらいかかって…」
「風呂1時間半って…それでフヤけたんか?」
「フヤけてないわ!風呂ってか髪乾かすんに時間かかるんや!」
「朝するんちゃうかった?」
「昨日は晩にしてん」
「ってか勉強せぇや、入試いつやねん」
「まだ先、来月11日」
「そんな遅かった?ってかスグやんか」
「それより今日小学生が来るねん」
「小学生?あ、新入生か…何しに?」
「なんか通学とか服装のルールなんか教えるんやて」
「それでな、スカートの丈とか自分らがちゃんとせなアカンからヒザ下で揃えよって言うたら却下された」
「短い子とかおるん?」
「パンツ見えてる子とかおるよ」
「中学生でか…嬉しいんかなぁ」
「ミキは恥ずかしい」
「ま、フツーやな、タイツとかアカンのやっけ」
「ホンマはジャージもアカンねん」(←スカートの下ジャージはいてる)
「なに履くねん?」
「靴下みたいにカタッポづつ脱げれるやつ」
「冷えるやん」
「やろ?校長先生に文句言うたった」
「マジ?やるなぁ…」
「変わらんけどな」
その後、彼氏が乗ってきました
黙って運転してると
後ろから手が伸びてきて
ぎゅう!
と、いきなりツネられる…
「なんやねん、急に」
「だから黙るなって…」
「なぁ、ミキのイトコ知ってる?」
「へ?イトコ?」
「ミキのイトコ言うて」
「言うて?…ミキのイトコ…」
「うん」
「うん?」
「なんかあるやろ?」
?????
「ミキのイトコ」
「いいとこか?」
「あれ?なんて聞こえたん」
「従弟」
「なんでやねん!で?いいとこは?」
「頭と口の回転が早いとこやな」
「それは分かってるねん💢」
「なんやねん、カワイイとか言うて欲しいんか?」
「そんな気も遣わんでいいねん!」
「面白いとか言うてくれた方が嬉しい」
「芸人か!」
そして学校近くのバス停に着くと
「ん…コレ…」
と差し出したのは
「友達に作ったんやから友達にあげや」
「友達にはコッチのカワイイ方あげるから」
「同じちゃうん?」
「同じちゃうわ!失礼な!」
「そうなん?ありがとう、一生大事にするわ」
「きもっ!そんなん言うたらキモいって…」
「そこは腐る前に食べって返すもんや、受験落ちるゾ…」
「そんな問題ないわ!」
そう言いながら
彼女はバスを降りて行き
開いたバスの扉から
冷たい風が入ってきました