朝一番のバスに乗ってきたのは
いつもの中学生、ミキちゃんです
「おっはよー」
「え?どうしたん?」
「なにがや?」
「今日は元気やん、いつもミキにはテンション低いのに」
「いつも怒られるから限界まで元気出してみた」
「いつもと違うとキショいねん」
「どないせぇっちゅーねん」
「いつも通りに怒られといたら?」
「それもイヤやな…」
「それでな、よぉ聞いてや、ミキ英検受けてんやんか」
「A検?漢字かなんか?」
「英検や言うてんねん、よぉ聞いてって言うたやん」
「英語検定の事やったんか」
「逆に他に何があるん」
「ABCのAかと思った」
「結局英語やんか!」
「それもそやな、難しいん?」
「それそれ、4級受ける予定やってんけど
どうせなら3級受けてみろ言われて受けたら受かってしもて、自分で一番ビックリしたわ」
「よぉ分からんけど良かったなぁ」
「ミキ、ブスやけど頭いいねん」
「ブスって誰がいうねん?」
「みんな、特にお母さん」
「お母さん…酷いな…」
「サラリーマンが履いてる靴の先みたいなアゴしてるって言うんやで、キズつくっちゅーねん」
「ワハハ!例えがオモロすぎるやろ」
「なに納得してんねん」
「ってかそんなにアゴ長いか?」
バックミラーみて
「ちょっと長いか?」
「ウソでもそんな事ないよ、とか言えんかな…」
「そんな事ないと思う」
「遅いねん!」
「スマンスマン」
「それと、○○くん乗ってきた時、静かにならんといてくれる?」
「いや、彼氏のジャマしたらアカンやん」
「余計キマヅイねん」
「だってこの前ミキ乗ってない時なんかキョロキョロ探してたで」
「マジ?ミキの事好きな雰囲気?」
「気になるんやろなぁ…ププっ」
「ミキ、口も頭も悪いのにドコが良いんやろ」
「アゴちゃうか?」
「こ○すゾおっさん!」
「はいはい、さ、彼氏んトコ着いたで」
「止まるで」
「ドア開けるで」
「いちいち言わんでも見えるわ!」
「……」
「……」
「……」
「だからなんか喋ってよ」
「なにテレとんねん」
そしてやがて学校近くのバス停に着き
二人は仲良く並んで登校して行きました