たぶん
今年最後になるであろうミキちゃんが
木曜日の夕方のバスに乗ってきました
とは言っても
早く終わってたのか
途中のバス停から(←おばあちゃんチから)
コンビニ袋いっぱいにお菓子とか持って
「お願いしまーす」
と乗って来たので
「うしろ、後ろに座ったら?」
「ん?なんで?」
「気になる子乗ってるで」
「なんやねん!うるさいな」
「うるさないやろ、小声やのに」
「そのうるさいちゃうねん、もー顔がうるさいねん!」
「顔がうるさいってどういう事やねん、顔にセリフでも入ってんか?」
「ぶー!わっはっは、はーっ!あっあっあっ」(←なんでか大爆笑)
「なんで黄門様笑いやねん…」
「あっあっあっ!あー苦しい、コーモンってどうやって笑うん?しかも様って…」
「肛門ちゃうしな…知らんやろな」
「知ってんで…角さん飛びさんやろ?」
「なんでビミョーに外すかな…」
「あ、ミキ今日ももう一回戻るから」
「なんでや?家帰れや、暗くなるで」(←冬至)
「帰りたないし」
「まぁいいけど」
と言って 折り返し地点で
「老犬さん、コーヒーってブラックやっけ?」
「ん?微糖やで、なんや買ってきてくれるん?」
「ビトー?やな!」
「おいおい、お金…」
「いいから!」
「いやいや、中学生に奢ってもらうワケにゃいかん」
「えーねん!ん?ビトーやんな」
「微糖やで、漢字読めるか?」
「ナメてるやろ?……金のヤツ?」
「読めんのかい!」
と、東京リベンジャーズの金色のコーヒーを
中学女子に奢ってもらう還暦ジジィ…
「ほら、お金…」
「いいから…お年玉ちょうだいな❤」
「お年玉なんてミキ山ほどもらうやろ」
「全部で20万ぐらいあるで」
「オレの給料より多いがな」
「え?そんな安いん?」
「この町はそんなモンや、ミキがもらいすぎてんねん」
「なぁ…老犬さん…」
「ん?」
ブベっ❗💨
「女子中学生が人の顔見ながらコクな❗」
「めっちゃ気持ち良いの出たわ」
「汁飛んだんちゃうか?」
「飛ばへんわ!失礼な!」
「どっちが失礼やねん…」
なんてしてるウチに
出発時間です
「また歌っていい?」
「しゃあなしやで」
とか言って歌い始めた彼女ですが
ナゼかいつもと違い
テンション高めのキンキン声
「ミキ、もう少し抑えて歌って」
「うん、じゃあ…」
そう言うと
確かにテンション下げてはくれましたが
「耳元で歌うなや!」
「いや、これぐらいじゃないと聞こえんやろ?痴呆なんやから」
「痴呆と耳遠いんは別や」
「……ってか呆けてないわ!」
「………」
「人の話は聞け!」
「シュークリーム食べよかな?」
「聞け!言うとんねん!…シュークリーム?」
「何個食べる?」
「何個もあるんか?」
「15個」
「ちっちゃいヤツか…好きなだけ食べたら?」
「老犬さんは?」
「オレ要らんで」
「ミキ、全部食べれんわ」
「残しときゃえーやんか」
「やっぱやめとこ」
「やめとこって…今食べてんのなんや?」
「バーベキュー味の匂いするけど」
「スナック菓子やけどバーベキュー違うで」
「なんか知らんけど 太らん程度にしときや」
「耳だけじゃなく鼻も悪いんやな」
「うるさい!」
「声小さいのに…」
その後は
成績の事やら進路の事を
熱く語りながら
結局また一往復半バスに乗り続けました
最後に
「明日終業式やろ?また来年な」
「うん、お年玉ヨロシク〜」
そう言って
彼女は暗闇に消えて行きました