バスの中の会話です
金曜の夕方
柔道着を雑に持ったまま
学校帰りに乗り込んできました
『柔道着はたたんで丸めて帯で縛るもんや』
『知ったかやな 時間なかってん』
『教育悪いわぁ』
『あ、ミキ今日は途中で降りるから』
『バァちゃんとこ行くんやな?』
『うん、寂しい?』
『寂しいなぁ~』
『泣いたらアカンで』
『わかった ガマンする…ミキも悲しむなよ』
『なんでミキは寂しないで?ウソ泣きしたろか?』
『冷たいやっちゃ…』
『それより明日もバス乗らなアカンねん、運転手誰?』
『Aさんじゃないかな?』
『え?Eさん?』
『Aさんや!誰やねんEさんって』
『ワハハ!Eさん誰?』(←ツボらしい)
『ってか 何しに乗るん?』
『漢字検定受けるねん』
『ほー』
『おもむきって書ける?』
『趣味の趣やな』
『おもんな…』
『そりゃミキの5倍ぐらい生きてるからな』
『鬮野川……は難しすぎるな…ミリンって書けるか?』
『え?美しい味…かな?』
『検定やめといたら?』
『ウルサイ!』
『でも明日出てきたらいい事あるかもよ?』
『何?なんかご馳走してくれるん?』
『なんでオレがミキにメシ奢らなアカンねん』
『あ、奥様に会えるん?』
『それのドコが良い事やねん』
『もっと有名な人が来る……かも知れん』
『誰?』
『それは言われへん』
『なんなよ!(←方言)ケチやな!』
『内緒にしとかな怒られるんや』
『社長に?』
『もっとエライ人かな?』
『総理大臣?』
『極端やな』
『まぁミキの会いたい柔道の人じゃなきゃいいわ』
『一二三んか?』
『違うよ』
『篠原とか?』
『教えへん』
『怒られへんやろ?』
『イヤ!口が開いても言わへん!』
『口が裂けてもやろ?開いたら教えとるがな』
『あれ? そうやっけ?』
そう言ってるウチに
降車場所に着きました
所要時間は7分です
7分以内に読めましたかね?