もちろんミキちゃんの話です
朝一番のバスに乗ってきました
『おはよ エヘヘ…』
『おはよ、なに笑てん？』
『別に…なぁアイロン買って』
『なんでオレが？ ○○さんに言え』
『あの人に言うたらホンマに買いそうやからイヤ』
『どないやねん…』
次のバス停で 利用者さんが乗ってきました
『おはよ～』
『なんで そんなに元気に挨拶するん？』
『朝の挨拶は人の基本 明るく元気よくや』
『ミキん時は元気なかったのに』
『ん？そうか？ そりゃ反省するわ』
『ご飯食べてないんか思った』
『朝は食べてないけどな…』
『ミキなんか ようけ食べてそうやな』
『ミキは普段は食べへんけど こないだお父さんと 横綱行ってな…あ、横綱知ってる？』
『横綱ラーメンなら知ってる』
『そのB定食頼んでな』
『それは知らん』
『ラーメン半分と小ご飯にしてぇ 餃子と唐揚げとオニギリ頼んで食べた』
『ちょい待て、おかしいやろ』
『なにが？ 唐揚げ？』
『違う、なんでご飯小さくしてんのに オニギリ出てくるねん？』
『だってミキ 明太子好きやん』
『知らんがな』
『だからやん』
『よう分からんけど 食べすぎやな』
『来週からダイエットする』
『ムリやな』
『なんでよ』
『来週からとか 絶対ムリやから』
『するなら今からや』
『そう？ だってミキって 可愛いし優しいし楽しいやん？』
『はい、ミキって 可愛いし優しいし楽しいよ』
『だから そんな相づちみたいな返事いらんねん』
『でも 最近太ったなって思うんやけど みんな気を遣って まだ大丈夫やで とか 太ってないで とか言うてくれんねん』
『みんな気ぃ遣ってんやな』
『そこは相づちいらんねん❗️』
『可愛いで とか そんな事ないよ ぐらい言えんかな』
と 話してるウチに バスは彼女が降りる所に近付きます
『なぁ 友達待ってくれてる？』
バス停から学校まで 一緒に行く友達の事です
『ん？ あぁ居てる…男の子…彼氏か？』
『女の子やで？』
『あぁホンマや 体育着やから 分からんかった』
『ひどい……言うたろ』
『やめろ、そこは内緒にしとけ』
と 降りた後
コチラを指さしながら
耳元で話してる様子が伺えました
その友達は
もうバスの運転手を嫌う事となるでしょう…