普通に小中学校は始まったようです
その2学期の初日
学校帰りのミキちゃんが バスに乗ってきました
『お願いします』
と 軽く挨拶をした後
いつもの席には オッチャンが乗っていたので
運転席からよく見える横の席に着座して
スマホを見てました
『あれ?ミキ手が女性になってきたな』
『手? どういう意味?』
『指が細長くなってきたって事』
『そうなん?子供の手ってどんなん?』
『ムクムクで可愛い手……かな?』
『じゃあさ 長い爪で短い指の手と長い指で爪のない人と短い指で爪のない人と長い……あれ?分からんようになったけど どれがいいん?』
『なにがなにか分からんけど 長い指で長い爪が女性らしいんちゃうか? ニワトリみたいやけど』
『ニワトリはイヤやな……』
『そや❗️』
『びっくりしたぁ なんやねん?』
『ミキな 夏休みの間に3㎝伸びたんやで』
『そうなん? オッチャン1年で3㎜縮んだわ』
『そらそやろ 老犬さんは ろ・く・じゅ・う』
『ミキは 可愛い12才』
『あ・な・た・は ろ・く・じゅ・う』
『ミキは伸び盛りの12才』
『老犬さんは 育ちすぎた ろ…』
『何回も言わんでえーねん!』
『だってホンマやもん』
『知ってるわ❗️』
『それより 明日も普通に学校あるんか?』
『知らんよ なぁ明日普通にあるん?』
『オレが聞いとんねん』
『普通に全部持って行ったらいいだけやんな?』
『昼メシは?』
『だから知らんって』
『ホームルームとかで言わんかった?』
『バスの時間やから ミキちゃん先に帰りって帰されたから』
『じゃあ友達とかに聞いてみ』
『そりゃ苦しい時は他人にも頼るけどさ 頼りすぎはよくないんちゃう?』
『今が苦しい時や』
『ホレ❗️もつ着くで』
『うん、ありがとう』
『はいよ』
『なぁ老犬さん』
『なんや?』
『ミキは12才 老犬さんは60才』
『縮むのはしゃあない事やから』
『もうえぇっちゅーねん、気をつけて はよ帰れ』
そう言って 彼女は手を振りながら帰りました