もちろんミキちゃんの話です
朝 バスに乗ってすぐリュックを下ろしながら
『あーオモた~』
『なに入っとんねん そんなに』
『教科書に決まってるやん』
『教科書なんか学校に置いといたらいーやん』
『学校に置いとけるのって薄いヤツだけやねん』
『アカンヤツは黙って置いとくもんや』(←ダメです)
『そんななぁ、悪い事教えんといて』
『はい、すいません』
『クッソ重たい…ちっとは子供の事も考えたれっちゅーねん』
『はい、すいません』
『なんでも謝っときゃいい思たらアカンねん』
『ってか オッチャン悪ないし』
『ホンマにもぅ……バットマン知ってる?』
『ばっとまん? 映画のバットマンなら知ってるけど』
『そうそう それ』
『バットマンがどうした?』
『バットマンのリュックやねん ミキ女のコやのにオカシない?』
『オカシないけど リュックって指定じゃないん?』
『黒のリュックやったら何でもいいねん』
『へぇー オッチャンらの時は手さげカバンやったよ、高かった』
『親に買ってもらったん?』
『そらそやろ』
『親不孝やわ…』
『どないせぇっちゅうねん』
『ペッタンコにしたり 紙箱使ったりしたら怒られたけどな』
『ほら、親不孝やわ』
と 相変わらずの会話をしながら
また重たいリュックを背負って
学校に行きました
その夕方
同じ中学のスクールバスの運転手が
普段と違う時間に準備してます
『どしたん?こんな時間に』
『今日は試験やから早いんや』
試験……
彼女は一体
何を背負って学校に行ったんでしょうか❓