この記事は、いつもすばらしいランチを楽しませてくれる、「オステリア・ラ・ルミネセンツァ」のシェフとその奥様に感謝の気持ちを込めて書かせて頂きます。
真備町で正史と金田一の影をたどって歩いた私たち夫婦。
すっかり夏の暑さにこんがりとなりながら、総社へ。
総社と真備町は隣り合わせ。一応、真備町は倉敷市で、総社市は倉敷の北側から岡山市へかけて広がる、けっこう広い土地です。
このブログでも時折、記事にさせて頂く「オステリア・ラ・ルミネセンツァ」は総社市内の住宅地の中にあります。
ご夫婦でやっていらっしゃるのですが、いつもランチは満席。
今年、奥さんとやってくるのは二度目なのですが、さてさてどんなランチを楽しませてくれるのでしょう?

早速オードブルが。
貝殻の上にきれいに盛りつけられています。
イワガキ、スズキ、サーモン、カツオなどのマリネ。
料理は見栄えも大事です~。
ここのお店の魚介類は、いつも新鮮で、マリネでもカルパッチョでも、とにかく臭みがあまりない。
そのため生ものが苦手な人でも、食べられたりします。

どのマリネも、舌鼓を打ちたくなるのですが、これですよ

これ

い・わ・が・き

私も奥さんも、牡蠣のたぐいは今ひとつ苦手なのですが、いつもここのは、するっと食べられる。
このイワガキ、変な表現ですが、フォアグラみたいな食感で、しかも当然、脂っぽくなどない。
夏の熱気の中を歩き回り、喉が渇いていた私は、初めてこのお店で、ビールを注文しました。
もちろん奥さんが運転してくれるという前提条件があっての話ですが。
「うめー」

さあ、パスタです。
この日のパスタは、どちらも大当たりで、どっちも最高だったのですが、まずカニとイカのトマトソース。
いつもこのお店のパスタは、ソースが自己主張控えめで、パスタのうまさと他の素材の良さを引き出しています(これって、かなり他のお店との大きな違いです)。
このパスタはカニとイカの風味とうまみが、ソースとパスタに存分に絡んでいて、しかもです!
いつもトマトソースは、やや酸味を感じるようなさっぱりしたものが多かったのですが、この日のそれはほのかに甘みさえ感じる。
「こりゃ、たまらん」

もう一品のオイルソース・パスタは、生ハムとブロッコリー。
この生ハム、本格的なもので、たぶんパルマ・プロシュート(違っていたらごめんなさい)。
ぴりっとスパイスのきいたオイルソースが、超ハーモニーです。
私はこのオイルソースで、おくさんがトマトソースだったのですが、それぞれ味見して分け合いましたが、ビールが進むのはこのオイルソースですね。

そしてメイン。
鯛とカニ、海老。
こんもりときれいに盛りつけられ、周囲にはジャガイモのマッシュ(ピューレ?)と甲殻類のソースが。
このソース体験は初めてですが、意外にうまい。
ここで、グラスワインの白をオーダー。
このワインがまた、ほのかに甘みがあるタイプで、料理に合う。

チョイスのメイン、お肉料理。
ハーブ豚です。
ぱっと見た目には、よく分からなかったのですが、重ねられている一番上は、ベーコン、その舌が半熟卵、ハーブ豚、パン生地的な(?)土台。
という構成です。
こいつがまたくせ者で、奥さんがナイフを入れると

どろーっと、半熟卵が。
これをお肉とソースとパン生地に絡めて食べると
そりゃあ、もう
という感じです。

デザートは、ガトー・ショコラ。

濃いエスプレッソと共に頂きました。
近頃、私と共にここを訪れる人たちの間で、しきりと話題になり、愛着を寄せられているのが、このミルク・ピッチャー。
通称「げろげろ君」
(スミマセン、ご主人。だって、みんな、そう呼ぶんです)
いや、なんで「げろげろ」なのかというと、
傾けると、くちばしのところからミルクを吐き出すんです。
この有様がおもしろくて、ついよけいにミルクを入れてしまうという、
魔力のような魅力を持っています。
いや、本当に人を引きつける魅力。
それはこのお店の料理にこそあります。
お店のシェフと奥様。
そのお人柄が現れたような店の雰囲気と、手の込んだ料理の数々。
誰だって
「もういっぺん、来よう」
と思わせられちゃう。
思えば、推理小説の中毒も似たようなものかも。
私が中学時代、横溝中毒になったのはなぜなのか?
そこに絢爛たる知的な花園があったから。
絢爛たる花園。
なんでもそうなのだ。
そこを目指して歩こう。
自分のできる限り。