ノストラダムスの逆転法。
「最悪の事態を想定し」
「覚悟を決める」
その上で生きてゆく。
この考え方は、いわゆるプラス思考で人生を良くしようというものとは、まったく異なっています。
しかし、「思うことが実現する」という法則がこの世に働いていることも、私は知っています。
だから、鑑定で非常にマイナス思考が強い人に遭遇することがあると、その思いをプラスに転換するよう心がけることをお勧めしています。
ただ、マイナス思考の方というのは、どうしても物事を悪く考える癖がついています。
「他人に悪く思われているんじゃないか」
「やっても失敗するんじゃないか」
「評価されないのではないか」
「恋人が浮気するのではないか」
などなど。
これを変えろといわれても、よほどの決心を持って、日常的に自分の心の動きを見つめていないと変えることはできません。
見つめ続け、マイナスに考え始めたらその考えを捨てる。
違ったことに意識を向ける。
あるいはプラスのことをイマジネーションする。
こういったことを習慣づけて、なんとか変えることは確かにできます。
しかし、結構時間もかかるし、やり抜けない人の方が実は多い。
ノストラダムスの逆転法は、マイナス思考に似ているようでいて、違います。
マイナス思考の方というのは、
「ダメなんじゃないか」
と思いながら、やはりうまく行く方にしがみついています。執着ですね。
良い方へ転ぶことを願いながら、それでも悪いことを考えてしまうので、「思うことが実現し」「結局うまく行かない」という現実が創造されてしまいます。
ノストラダムスの逆転法は、ただ悪く考えるのではなく、想定した上でそれに対処する覚悟を決めるものです。
「私は他人に悪く思われているかも。いや、そうなってもおかしくない。他人のことを悪く思いがちのなのがこの世の中で、それが普通だ」
「やっても失敗する可能性は高い。いや、失敗してもまったくおかしくない」
「評価されないことなど当たり前」
「恋人は浮気をするものだ。それが普通」
上記の対応でいえば、ここまでの違いがあるのです。
ただのマイナス思考ではなく、それを突き抜けた先にある「開き直り」の境地なのです。
したがって、この逆転法はなかなかプラス思考に転換できない人にこそ、むしろ使いやすいものだと言えます。
こういうあきらめは、本当に良くない現実を作り出してしまうんじゃないかと思われるかもしれませんが、それには誤解があります。
この逆転法で覚悟を決めるというのは、ただ執着を手放すというだけのことで、なにも努力や愛を放棄することとは違うのです。
「仕事上で評価されないかもしれない。それが普通なんだから、それをわかった上で仕事をする」
こういう心持ちでやって、もし評価を少しでもされれば、それは大きな喜びとなります。
この気持ちがないと、評価されないと不満だけがたまりますし、ちょっとくらい評価されたのでは不当に感じます。
「夫のことを愛している。でも、夫は浮気をするかもしれない。男はそういう生き物だ。でも、自分は愛しているのだから、それでいい」
こう考えて覚悟を決めていたら、現実に浮気が起こっても「まあ、そういうものだ」ですみますし、そのとき自分がどうすべきなのかも冷静に考えられます。
逆転法は愛することを捨てろとは言っていません。
ただ、愛されたいと思う気持ちを捨てろ、とアドバイスしているだけです。
つまり逆転法は、その人個人の心の中で起きる革命で、だからといって人間関係や運勢を悪くするものではない。
むしろ悪い事態が起きてもそれに立ち向かっていく勇気を与えるものだということです。
そして少しでも良い事態が起きたら、それを大きな喜びに感じることもできる。
今の日本では、ほとんどの人が食べたいものはまあ口にでき、日常生活に困窮するということはありません。
しかし、その日食べるものさえ苦労するような時が続けば、たった一個のおにぎりに涙することさえできます。
小さな事さえ喜びになる。
これを日常的に保持できるということは、逆に人間関係も良くすることにつながります。
たとえば夫が、仕事を終えて早く帰ってくる。
ただそれだけで喜ぶ。
その妻を見て、夫は悪い気はしません。
むしろ、そんなに好いてくれているのか、かわいいやつだな、と思うかもしれません。
仕事上でわずかしか昇給しなかった。
しかし、そのわずかな昇給を喜べたら、「よし、もっとがんばろう」と思うことも可能になり、それがやがて「こいつ、がんばってるな」という評価につながるかもしれません。
認められたい。
愛されたい。
上り詰めたい。
金持ちになりたい。
これに執着するのではなく、これを手放してしまうことで、逆にうまく事を転換することができるかもしれない。
これが逆転法です。
実際、ノストラダムスのアドバイスを受け、大成功したり、大きな富や幸運、愛を得た人が今に伝えられているそうです。
このことに関する研究報告もあるようなのですが、子孫のプライバシーの問題などもあり、なかなか目にすることはできないとか。
私はマイナス思考からどうしても抜けられない人。
こうした人にこそ試して頂きたい。
そして、プラス思考でもどうしても解決できない問題に直面することがあります。
そのようなときにこそ役立ちます。
たとえば相手があるとき。
仕事上のライバルや、配偶者、対人関係、こういった存在が絡んでいるときには、問題はこじれやすい。
なぜかというと、自分だけではないからです。
仕事上のライバルも同じようにプラス思考かもしれません。
スポーツの競技と同じです。
勝者は一人しかいない。
同じように努力し、同じようにプラス思考なら、どんなに自分がプラスに考えたところで解決しません。
また大きな災害や世間の大不況など、個人の力では抵抗できない流れというのもあります。
こういったことまで想定に入れて、覚悟を決めて事に当たる。
これが仕事上での使い道だろうと思います。
自分は夫を愛しているが、今、夫は浮気をし、他の女のことを愛しているという。
人の心を無理矢理変えることはできない。
愛されたいといくら思ってもそれはかないません。
しかし、愛されたいという執着から離れてしまえば、違ったものの見方、判断が可能になります。
この世の中には、主に社会的な成功と愛情の問題。
この二つが根を張っています。
このうち社会的な成功、仕事の問題での逆転法は、上記のように理解されやすい。
そろそろこのシリーズ記事もラストに向かっております。
次回は愛情に関することを集中的に。