水瓶座的な生きがい |  ZEPHYR

 ZEPHYR

ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

星座別生きがい論も、いよいよ残すところ二つになりました。
水瓶座と魚座。
この二つの星座で、魂の遍歴は一応のサイクルを終えます。
前回の山羊座で社会の中で自己の存在を証明した魂は、次にどこへ向かうのでしょうか?

11番目の星座、水瓶座です。
水瓶座は男性星座。
フィックスド・サイン(不動宮)。
風のエレメントです。
支配星は天王星。

水瓶座はニュー・エイジ・ムーブメントなどとも関連があり、新規なる思想の象徴のようにとらえている人も多いでしょう。
完璧主義、理想主義、同志同胞愛、博愛の精神、理知、偏屈、変わり者、革命家。
このようなことが言われる水瓶座の本質とはなんなんのでしょうか。そして、その星座の生きがいとするところは何か。

まず風のエレメントに注目してみたいところです。
水瓶座は双子座→天秤座の後に来る、最後の風のエレメントです。
つまり風の質である「知」の要素の終着点でもあるわけです。
双子座で拡散させた知的好奇心、コミュニケーションの拡大は、次の天秤座で別な形に変換されます。というよりも、ある程度指向を持ったものに収束されます。
天秤座は調和の星座であり、配偶者や対人関係に深く関わっています。つまり双子座は一般的な知識と交流の拡大で、「広く浅く」だったのに対して、天秤座エリアでは「一対一」の関係に焦点が絞られるのです。ここで「知」は、人について深く学びます。
これは双子座がミュータブル・サイン(破壊)の性質を持っていたため、個人的な関わりよりも無目的な拡散を指向していたためです。
ところが天秤座はカーディナル・サイン(創造)で、コミュニケーションをより創造的な形で生み出そうとします。これが「婚姻」という天秤座性質となって現れるわけです。

最後の水瓶座では、この天秤座で得た「調和的な人間関係」を、より広範なエリアで定着させようとします。言うまでもなく、フィックスド・サイン(維持)だからです。
より広範な範囲でというのは、詰まるところ社会的な星座である射手座・山羊座の後に来るからです。


こう考えてもらったら分かりやすいのですが、野心を持ち社会的な成功を収めた人たちが、自分たちの満足の上に立ち、今度は社会全体のために貢献しようとする、たとえばロータリー・クラブやライオンズ・クラブのような団体。これが水瓶座的な集団なのです。
理想、同志同胞愛、博愛の精神。これらはまさにそういった団体が掲げる精神そのものです。
知を発展させ、人との間に調和を見いだした魂が、社会の洗礼を受け、今度はその理念を世界全体に広げようとする。
水瓶座はそのような理想への衝動を持っている星座だと言えるでしょう。そしてこれは知的遍歴の終着点とも言えます。

水瓶座の支配星は、天王星です。
革命・変革の星です。
土星よりも外側に位置するこの星は、土星が守り抜いていた太陽系の内側の秩序や基準といったものにショックを与え、変えてしまう資質を持っています。
ゆえに革命の星なのですが、革命は社会のすべてを根絶やしにするわけではありません。つねにその枠やシステムを変えてゆくものです。しかし、変化には常に痛みが伴い、そこで生きている人々、特に保守的な人々にとっては、「アクシデント」「凶事」として受け止められます。
これが天王星が凶星として認識されるゆえんなのですが、これがなければ私たちはいつでも進歩も変化もしない世界で、だらーっと生きていかねばなりません。そんなマンネリズムは、人を死にも至らしめます。
そういった意味で、天王星ほど刺激に満ちた星はないのです。
個人のチャートでも、金星と天王星が強いアスペクトを持っていると、恋愛においても次々に相手をとっかえひっかえ、時には重複させるなどのケースが見られます。これはその人の愛(金星)が、刺激(天王星)を求めてしまうためです。

土星の支配する山羊座を超えた先にある天王星支配の水瓶座は、いわゆる世間的な常識、決まり事を破ろうとする気質を持ちます。
水瓶座が自分独自のスタイルにこだわる人が多いのは、こういったところに由来しています。人と同じでは嫌なのです。土星的な均一で埋没した生き方は、水瓶座にとってはきわめて退屈で、つまらないものです。打たれても出る杭になろうというのが水瓶座の本質です。
独自性、変人。
このような評価がついて回るのも、このような天王星が影響しているからと考えられます。

このような水瓶座。
この星座的な生きがいとはなんでしょうか。水瓶座はどのようなときに「生きているはりあい」を感じ、「生きていて良かったと思う」のでしょうか?
この星座は日常的なレベルでは、その生の実感を得にくいのが特徴です。
というのは、社会活動をする人間としては、山羊座が一つのピークで、この星座の生きがいは「社会的な成果」だと単純に言い切ることも可能なのですが、水瓶座はすでにその社会の領域を超えているため、「じゃあ、なにをしたらいいの?」ということになってきます。
本当に革命でも起こすか?
いや、たしかにそうしたら水瓶座は満足かも知れません。しかし、やりきった後はこれもまたつまらない日常に埋没してしまうかも知れません。

みんな、それじゃあ、ロータリー・クラブにでも入って社会貢献するか?
いやいや。このような団体もすでに長い歴史の中で、すでに天王星ではなく、どちらかというと既成のもの、土星に傾いています。このような活動をしても、現代の水瓶座には満足が乏しいと考えられますし、水瓶座みんながこのような活動をしたらいいなんていうのもナンセンスです。

そんな中で多くの水瓶座の人が、トランスサタニアンである天王星的な力を使いこなせずに生きています。せいぜい日常的に人と違ったファッションをするとか、アウトロー的な生き方や商売に身を投じるとか。自己表現がうまくできない人は、ただの「変人」扱いされてしまいます。
これはやはり常識や規制といったものが支配的な社会が、天王星的気質を抑圧してしまうからです。
この抑圧の中で、水瓶座はそれでも自己表現を行っていかねば、永久に満足が得られません。

人と同じでは満足できないのが水瓶座ですから、この場であれこをしろこれをやったらいいということが言えません、じつは。
水瓶座はまず他と違った自分というものをどうしたら打ち出せるのか、自分に何ができるのかということを考えなければなりません。見極めなければなりません。
そして、一人一人が違った答えを見つけ出す必要があります。
そしてその答えに従って、自己表現し、自分の理想をいうものを広げることができたら、そのときこそが水瓶座的な生きがいの瞬間となるのではないでしょうか?

人気ブログランキングへ