女性星座。
ミュータブル・サイン(柔軟宮)
地のエレメント。
支配星は水星です。
この星座の質を理解するために引き合いに出すと分かりやすいのが、双子座です。
双子座もミュータブル・サインで、支配星は水星です。ところが双子座と乙女座では、だいぶ受ける印象が異なっています。双子座は活発にあれもこれもと触手を伸ばす、外へ向かった知的活動なのに対し、乙女座はどちらかというと内向的で地味な印象を受けます。
内に振り向けられた分、神経質で批判的な要素も生じてきます。
これは結局、同じ質を持ちながら乙女座は女性星座、双子座は男性星座だからです。双子座はその活動を外へ向けるのですが、乙女座は内へ向けて力を発揮します。
その分、「自分を磨く」「自己鍛錬」「自己修練」といった性質を帯びてくるようになります。
ましてや地のエレメントです。
地のエレメントの牡牛座、乙女座、山羊座。この三つはあくまでもこの世の現実の中で生を体感しようとします。
この方向性が、乙女座の上記の質と結びつくとどうなるか?
これが結局、実務能力の高さだとか資格だとかいう側面に結びついてゆくのです。
内的な充実、知的発展とは、すなわち個人能力の高さを指向するからです。
こうして個人の能力を高めるベクトルを持った乙女座は、12星座の中でも特筆すべき自己研鑽と習得能力を得、また現実にものにしてゆきますから、だからこそ、
それができない他者への批判
につながってゆくのです。
乙女座が、批判精神が強く、細かい部分ばかり目につき、他人のあら探しをしてしまうとか、辛辣になってしまうというのは、こうした性質を背景に持つからです。
この精密な検査能力や現実対応能力において、乙女座の右に出るものはいないでしょう。
またこのような星座が存在しなければ、この世はいい加減でルーズなことが平気でまかり通る、しまりのないものになってしまうでしょう。
また武道にせよ、華道や茶道にせよ、その道を究めるということの中には、乙女座的な資質がどうしても求められます。
6番目の星座までが、個人体験の星座といってもよろしいでしょう。
生を受けて体感しようとし(牡羊座)、現実的に確認、確立しようとし(牡牛座)、精神的な可能性を多方面に探り(双子座)、親密なる者達(家族)との間で情操を発展させ(蟹座)、エゴを自立させ(獅子座)という流れでした。
蟹座の項目で、家族というつながりが生じてはいるのですが、やはり家族は家族。それは内的なもので受動的なものです(すでに与えられているという意味において)。
しかし、乙女座はこの個人体験の締めくくりに登場し、次なる新しい体験の場への準備をしなければならない星座です。
次なる星座は天秤座で、これは配偶者や対人関係などを暗示する星座です。
7番目以降は個人体験ではなくなってゆくプロセスなのです。
単純にいえば、修学を終え、何らかの資格や技能を身につけた若者が社会に出て行く。
社会に出て、他人とつきあってゆく。
その準備段階に乙女座はあります。
よくできたもので、だからこそ自己修練の星座でなければならないのです。
また獅子座において、人はエゴを発達させますが、このままでは対人関係において衝突するのは目に見えています。
エゴむき出しではやっていけません。
だからこそ、それをよく抑え、コントロールすることが必要になって来、乙女座の内向的な批判精神は、こういった自分の精神的な成長にも一役買っているのです。
地のエレメントである乙女座は、あくまでも現実重視です。
ですから、自分自身の成長や修練においても、現実的に目に見えるものがあったほうが喜びにつながります。
結果、何かの免状とか資格とか、仕事上のキャリアといったものにつながってくるのです。
乙女座。
この複雑な星座の「生きがい」とはなんでしょうか?
私はこう考えます。
「個人の向上」
自分が何らかの求める道やエリアの中で、自分自身が内的に高まってゆくことを実感すること。
それこそが乙女座が「生きているはりあい」「生きていて良かったと思うこと」なのではないでしょうか。
