大学での講義も、だんだん慣れてきた印象はある。
まず気分的に楽になってきた。私は人前で喋ることをまったく苦にしない性格なのだが、やはり習うよりも慣れろの世界である。
まだ自分の力で押していくという調子ではあるのだが、徐々に抜きどころも身につけていかねばなるまい。
今のままでは笑いを取りたいところでも取れず、反応のいい生徒だけがにやっとする程度。
もうちょっと話術を身につけないといけないのか。
たしかに話をするというのは、一種の才能なのかもしれない。
逆に言うと、すべての才能は磨けば光るはずなので、これを続けていくことには小説創作上にもきっとメリットがあると思われる。
今日は前回に引き続き、プロとアマチュアの違いについて講義し、後半は推理作家が物語の中で謎を構築していく際、その謎を解き明かすヒントとなる情報提供のテクニックの数々について話した。
現状でざっと数えて、そのテクニックには六種類あることがわかった。
こうして生徒に教えていると、自分自身、認識が深まっていくのが、私が得られる最大の利益なのかもしれない。
次回はそのテクニックについて、このブログでも述べよう。