夫婦の仲にも靈位に依る働きがあるのである。靈は単独では働かない、必ず相手があり、相手の靈位の上下によって、靈活動が初まるのである、だから、一つの夫婦の形で云ふなれば、主人は王様の靈位であり奥さんは下女の靈位のものがある、

 奥さんは貞淑そのもの、良く主人に奉仕するが、主人は当り前として超然として感謝の念すら持たぬ奉仕するのが当り前としての態度、夫婦共、これでは哀れではないか、ところがその主人、一歩外に出ると友人のAには絶対頭が上らない、でもその友人Aが此の家に招待されたとなると、奥さんにはポンポン悪口を面と向って云はれて喜こんで居る。


 主人、奥さん、Aとの靈位に依るものである。


 又、此れとは逆に、奥さんは王姫の様に威張ってゐる、御主人はまるで下僕の様に何事にも頭の上らないでゐるのもある。主人は会社では、社長として、大勢の部下を使ひ乍ら家に帰れば斯ふだ、主人は家に帰るのを厭やがる、自分と靈位の合ふ女と外に求める、どの程度の靈位の女を求めるだろふか、考へてください。


 父と子でも其の通り、父が下男の様に伜に奉仕して伜は平然とそれを受けて居るのもあるし、父と子が仇敵の様に気が合はずにらみ合ってゐるのもある。生活状態の過去に原因があったと云ふ事もあろふが、それより靈位の関係なのである。私は、それと二通りに分けて考へる、夫婦の状態も父子、兄弟の状態も、他人同志の間にでも、その状態、即ち、仲良い、仲悪い、上位下位のことが因縁(生活状態)に依るものか、靈位の差に依るものかを判定してかかるのである。