皆さんがよく聞きにくる。

 靈魂とはあるものか、ないものかと、

 

 無いと云って説明するのは科学的であって、有ると云って説明するのは宗敎である。今までは、然し私は、有る無しに執はれない、だから靈とはどんなものかははっきり知って居るし、それは今までの解釋と全然違ふのだから。有るとも無しとも云はない。


 只、貴方も私も靈は持ってゐると断言するが、それは「靈の働き」を知ってゐるからである。

 故に、この存否は先づ惜いて、その靈の働きとはどの樣なものかこれを考へてみよう。


 「形が無ければ存在しない」とは現代科学の理論の根本をなすものであるが、その時間を空間を超越したものの存在が無いとは云へないのである。それを説明付けようとするのが心靈学であり、靈の存在を全面的に肯定して、この生きて居る我々を制約しやふとしたのは宗教であり、その靈の存在をめしの種子にしてゐるのが坊主共である。であるが、その心靈学や宗教での心靈の存在を追求したとて、靈そのものの現象を正しく把握出来るとは云へない。