又、若い頃 幼い時には、正義感が非常に強いものです。

大人達か不注意に不正を見せると、性命的な反抗を極端に発揮して終ふのです。家出などにです。
 

その殻だけでも 殻が立派なら生活が出来ます。殻ばかりでも生きられます。成功も出来ます。曰く、大学卒業、親の遺産や事業、叔父さん、兄弟の存在等々です。一応は殻の恩恵で成功も出来ます、然し、その人として、その人本然の性命が働いていないのなら、只生きて居るだけのものでせう。
 

自分の自分らしい性命を燃やして 生き生きと働いている人達があります。自分の特徴を掴んだ芸術家、自分らしい経営方針を握った事業家達です。
 

又 一面には今の自分の「生命を養ってくれる殻」を守るのに一生けんめいの人達もあります、この人達は殻を攻撃されると非常に怒ります。怒るのは まだ性命力が少しでも生き残って居る證拠なんでせう。


私は十九の時 自分の殻を叩き破ろふとしました。二十九才の時には破りました。新しい生活を自分の意志で持ちました。三十三の時には終戦と云ふ宿命が今までの生活を破らせました。その時に応じて大きく破りました。皆は冒険と云ひ、無茶な、と云ひましたが、其の度に私にとっては意義ある生き生きしたものに感じました。


環境の生活に狎れると それが自分に調和でも不調和であっても殻になって終ふものだと気付いたのです。