その度に、反省し 苦しんで 今の自分は どうしたら自分が自分らしく出来るか」と、又、今改革の時か 出来るか 出来ないかを 本当に細かに考へたのです。人には無茶に見えたかも知れません。
 

例へば 人形町から両国に引っ越す前、家を探している頃、我の反省と研究を順序を追って考へて書いた紙を、或る社長さんが読んで、こんなに研究し反省していたのですか、私の為にもなるから下さいと云はれた事があります。
 

幼い時の環境だけが殻ではありません、

大人になると今度は自分の生活の殻を作って終って、それにとぢこもって終ふんです、そしてその殻が大切。殻から出るのが怖くなって終ふんです。
何時のまにか殻が大きく厚くなって もふ引きづって歩けなくなる、

自分の性命を完全に失って終ふのもあります。
 

皆さんには、私の様に 殻を破りなさいとは申しません。

只殻の為に御自分の持ち味を失って居ないか、自分の聲を忘れて居ないか、殻だけになっていませんかと心配するのです。


若い方には、早く自分の性命を掴み出して、出世なさって欲しいのです。自分が自分らしいと思ふ生活を、

 

殻の破り方には要領があります。

破り損ずると怪我をします。これはいろいろの話題を作って申しませう。
 偶感、書き疲れてフト思ひました。
 

【水仙】

綺麗だ、黄色の冷めたさ‼︎
これが真紅だったら、厭らしい女になる。
牡丹を考えてみる。黄色の牡丹の花を‼︎
弱々しい感じだ、獅子も蝶も狂ふまい。
牡丹は矢張り あの色でよい。
 

貴女は貴女の言葉でよいのだ、
貴女は貴女らしい姿でこそ美しい
誰でもだ 誰れでも、素直で自然の時。