近頃はお地蔵様を見たことがない。

昔私の幼い頃には田甫路で蓮花や彼岸花にとりまかれて、本当にのどかなものだった。今では童話の中に出る程度のものか。


お寺の入り口に地蔵様が六体並んでいる。

あれは六地蔵と云って 死んだ人を六道地獄に入れないで極楽に連れて行ってやる地蔵様なそうな。
 

地蔵信仰は日本独特で支那にもない いや有っても地蔵菩薩としてであって一般大衆の生活にしみ込んだものではなかった。


日本では違ふ、村はづれ、田甫路に雨にぬれ乍ら、子供達の遊び相手になり、この子 あの子の生長も 心の中も知っていてくれたのである。

 

何故だろふか、これは子育地蔵の信仰に由来しているのである。

地獄から、鬼にいぢめられる幼な児を助け守って下さる佛様としての信仰で、子を亡くした母の切ない願ひから初まったのである。