若し、貴方が商売を初めて、幸ひにして十年すぎて失敗したなら、もふ取り返しが付かないからだ。せめての事には三年位いで資本をゼロにまで失敗しても まだ三十四才なのだから、再起再出発は出来ます。

 

今度こそは、商売とは斯う云ふものと、私の云ふ五つの条件の中三つまでは覚でせふから、それが十年二十年過ぎて、失敗、あれひは盛大にもなれない、今更転換にも年令が年令だと、そのままグチグチやる様だといけないから、早く失敗しなさいとは、貴方への親切なのです。人生の月謝は早く大きく払った方が良いですからね」と云った事があります。


右の人の様に特徴のない事業では資金が如何程有っても駄目、事業にはその方則と、事業の生命と、性命が必要です。又、二年、三年目には、これからどうなるかはっきり掴めなくては、到底事業家にも成功者にもなれません。