★Hitotsuyama Racing 第5戦鈴鹿 レースレポート!! | ZENTsweeties オフィシャルブログ Powered by Ameba

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◆8月18日(土)予選

#21 ZENT Audi R8 LMS 都筑晶裕 / シンディ・アレマン / リチャード・ライアン


シーズン中最も厳しい1戦となる真夏のPokka1000km。チームは今回から新たにリチャード・ライアンをドライバーに迎え入れ上位進出を狙うことになった。リチャードはGT500、フォーミュラ・ニッポンの両シリーズでシリーズチャンピオンを獲得した経験を持つ。このPokka1000kmでチームがリチャードに求めたものは、ずばり表彰台獲得。FIAのBOP(性能調整)、そして予期せぬトラブルにより今シーズンここまで満足した結果を残せていないチームは、Super GTを最も良く知るドライバーの1人、リチャードに大きな期待を抱いた。


公式練習は強い日差しのもとスタート。今回は3名ドライバーということもあり、
公式練習で1名がドライブすることができる時間は減少するが、チームはそれを承知の上で3名のドライバーに均等な時間を与えた。セッション開始当初はオーバーステアを訴えたリチャードだが、車高の調整とタイヤの変更で弱アンダーステアの理想に近いマシンを完成させると都筑晶裕にドライバーチェンジ。都筑もマシンのフィーリングに問題がないことを確認すると、鈴鹿の経験が3人の中で最も少ないシンディにバトンを渡す。シンディがドライブする頃にはマシンフィーリングは多少変化してしまっていたものの、まずまずのタイムを刻んだ。


最終的にGT300クラス13位のタイムでこのセッションを終えたが、4台のAudi勢ではトップタイムを記録。あくまでも決勝に重点を置いた上での公式練習だったこともあり、十分に満足できる結果となった。続く公式予選ではQ1を都筑が担当。全25台中16台までがQ2に進むことが出来る。都筑はタイミングを見計らい3周のアタックを行うが、上位16台に残るためには0.4秒ほど足りず惜しくもQ1敗退となった。



◆8月19日(日)決勝


予選日深夜から決勝日明け方にかけ、雷を伴う大雨が鈴鹿を襲ったが、SuperGTのスタート進行開始時には昨日までの強い日差しが戻り、過酷な1000kmになることを誰もが予想した。12時30分、1周のフォーメーションラップの後173周 /1000kmのレースがスタート。SuperGTを知り尽くしたリチャード。序盤でマシンに不必要な負担をかけることは避け、GT300の隊列に従いオープニングラップを終えたかに見えた。しかし、ここから猛追撃を開始。3周目に#14 Team SGCIS350を捕えると、5周目には#43 ARTA Garaiyaをパス。6周目に#48 DIJON音々CALLAWAYワコーズEDがペナルティ消化のためにピットインした時点で15位までポジションアップ。リチャードの勢いはさらに加速し、11周目に#2 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電を捕えるとライバルのトラブルもあり、15周目には遂にシングル9位に。


その後前を行く7位の#11 GAINER DIXCEL R8 LMSを追い詰めていく。24周目、遂に#11を捕えAudi勢トップの座を奪う。さらに先を急ぐリチャードは暫定4位までポジションアップを果たし31周目にピットイン。都筑にバトンを渡す。ライバルたちのピットインが一巡した時点で都筑は6位を走行。「リチャードの走りを見て久々にモチベーションが最高潮に達した」都筑はリチャードに迫るタイムも魅せ後続を引き離しにかかる。29周を担当し5位にポジションを上げて60周目にピットイン。再びリチャードにバトンをつなげる。


このスティントでもリチャードの勢いは留まることを知らず、3位の#2、4位の#61 SUBARU BRZ R&D
SPORTを猛追。スティントの後半にはベストラップを更新する走りも魅せ、第4スティントで再び都筑が登場。91周目には#2がピットインし、93周目には#61がガス欠によりリタイヤ。#21 ZENT Audi R8 LMS 都筑は遂にクラス3位まで浮上。


ピット内では今シーズン初のトップ3進出に歓声が上がる。しかし2位を行く#3 S Road NDDP GT-Rとの間には40秒以上の差が存在し、さすがにこれ以上の追い上げは厳しいように思えた。チーム内では3位表彰台を確実にするための戦略も練られたが、都筑とリチャードにその気は一切なかったようだ。都筑は#3 千代選手との差を1周1秒以上詰めていく。第5スティントのためのピットインは122周目、#3と全く同じタイミングで行われた。#3がピット作業に1分02秒を要したのに対し、#21 ZENT Audi R8 LMSは56秒で作業を終える。両者コースイン後、落ち着いた時点でリチャードは#3 関口選手の15秒後方にまで迫りさらにプレッシャーを与える。心理戦を展開するリチャードは#3 関口選手がミラー越しに自らの姿を確認できる5秒差まで短縮。レースは僅か20周を残すばかりとなり、最終給油のタイミングを見計らう形となった。


ライブモニターには2台がクローズアップされ続け場内を沸かせるが、その矢先、チーム無線はリチャードの叫び声を受信。同時にヘアピン立ち上がりで失速している#21 ZENT Audi R8 LMSの姿がモニターに映し出され、チーム内には混乱とともにどよめきが広がる。エンジニアはチーム無線で必死にリチャードにマシンの状況を確認するが、リチャードから応答を得ることはできず。
145周目にして無念のストップとなった。マシンはガス欠によりストップしてしまったことが判明。その後、#3 関口選手がペナルティでピットインしたことも有り、2位表彰台が確実な状況での悔やみきれない結果となってしまった。



チーム代表 一ツ山幹雄


「悔やんでも悔やみきれません。2位表彰台まで残り僅かだったのに。アストンマーティンの速さはちょっと別格といいますか、別次元ですから、2位獲得イコール優勝みたいなものだったのですが・・・。リチャードも期待通りの素晴らしい仕事をしてくれましたし、都筑選手もそれにしっかりと応えてくれました。これでうちのAudiでも十分戦えることはハッキリわかりました。今シーズン、ここまでなかなかいいところを魅せられなかったのですが、その理由の一つはultraに対する差だと多方面から言われてきました。でも、ultraじゃなくても十分ドライバーでカバーできるということですよね。Ultraをコーナーアウトから並んで抜きましたからね。シーズン中になんとかいいところを魅せたいです。


#99については言えることがありません。#5マッハ号の玉中オーナーをはじめ、マッハ号のチームや関係者、ファンの皆さん、そしてうちのチームの走ることが出来なかった2名のドライバー、頑張ってマシンを見てくれているスタッフや関係者の皆さんに謝ることしかできません。なぜ1000kmレースの5周目にこんなことになってしまうのか、残念ですし、今は迷惑をかけてしまった皆さんに申し訳ない気持ちです。」