人財に悩む前田と轟
そこで再び訪れる 株式会社凄い展示会 相変わらず社内はイキイキし明るく活発な空気で溢れている・・・
この章ではその秘訣に迫ります。
では続きどどうぞ^^
以前のストーリーはこちら
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電車と地下鉄を乗り継いで数十分、
株式会社「凄い展示会」へやってくるのは例の展示会ぶり、ずいぶん久しぶりのことだった。
だが、一歩オフィス内に立ち入れば、相変わらずの活き活きとした挨拶が飛んでくる。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか」
「ええと、アポイントメントはないのですが……」
受付嬢になんと取次を頼めばいいか考えあぐねていると、ちょうどエレベーターホールのほうから見知った顔がやってきた。
「どうしました? なんだか深刻な顔をなさっていますね」
「谷田さん。少し相談したいことがあって、真っ先に思いついたのがここだったもんですから」
相変わらず笑顔だけは爽やかな男だ。受付嬢が彼の横顔に熱い視線を注いでいるように見えるのも、きっと気のせいではあるまい。
「ここで立ち話もなんです。上のフロアまで来ませんか」
「いえ、でも、お邪魔になりませんか? なにしろ、仕事の依頼じゃあないので」
「なに、今日の午前中は珍しく予定がないんです。もしも単なる人生相談だとしても、お茶くらいは出しましょう」
通されたフロアはやはり、活気に溢れている。
どこか場違いに思いながらも、前田は重い口を開いた。
新規採用の従業員たちの悪口になるようで言い難く感じていたが、一度口に出してみると、すらすらと言葉が出てきた。
彼らがマネキンをいい加減に扱うこと。規則を守らないこと。
少し叱るとすぐ辞めていってしまうこと。
谷田は混ぜっ返すこともなく、相槌を打ちながら最後まで聞き終えて、
「なるほどねえ……。うちの会社も昔、同じことがあったらしいですよ」
慰めではなさそうで、思い出した、といった様子だった。顎を撫でていた谷田はくるりと振り返る。
「ねえ」
たまたま背に座っていた、初老の男性にいきなり声をかけた。
赤いTシャツを着た色黒の、その男性は、妙に目立っていた。シャツには「凄い展示会」「私たちが展示会の常識を変えていきます」と大書してある。
だが、オフィスになじまないファッション以上に、どこか目を引くものがあった。
「せやなぁ、あったあった!」
男は、人懐っこい笑顔を浮かべた。笑うとえくぼが出来て、
「簡単ではないけど、かんたんやで。今度、遊びに行くわ」
「簡単ではないのに、簡単……? それに、今度と仰っても……」
そこへ、以前顔を合わせたこともある大男がこちらへ
「うすっ。社長、行きましょか~」
大八木だ。
それよりも、彼は今、なんと言ったか。
「社長……!?」
前田は目をむいた。谷田の親しげな様子からは、到底想像もつかなかった。
「おお、そうや。言ってなかったなぁ。ワイがここの会長、貴田や」
「大八木さんは昔からワイのことを社長って呼びようるんや」
「今の社長は谷田や、、ようやっとるで~」
前田は愛嬌たっぷりに話す貴田の魅力を感じながら・・・・
「社長・・・!? 谷田が社長!!?」
知らなかった・・・ 谷田がお客様をもって展示会のサポートをすることも滅多にないこと たまに大きく化けそうなお客様だけ「凄い展示会スペシャルプラン」でサポートする事も後で知る事となる。
ま、肩書きなんて大したことやあらへんし。貴田さんでもおっちゃんでも、好きに呼んでや」
「なんでもええですけど、社長、早よせんと飛行機の搭乗時間が過ぎてしまいますわ」
「……とと、そうやった。今から沖縄やからなぁ、GT釣りや~ 慌ただしくて堪忍な。戻ったら前田くんのトコ、遊びに行くわあ。一週間後やでぇ~」
二人して豪快に笑いながら、貴田と大八木はエレベーターで下へ降りて行った。
「貴田さんは相変わらずやなあ、大八木さんも」
谷田はそう言って、澄ましている。
「あの、谷田さん、あの方は……?」
「ああ、貴田さんはね、株式会社凄い展示会の創業者なんですよ。その頃は、株式会社ゼンシンという別の社名だったそうですが。普段はドバイにいらしていて、ちょうど日本へ遊びに来たところのようですよ。運が良かったですね」
「良かった……のかなあ……」
「ああ見えても、やると言ったらやる方ですから。TMマネキンさんにも、本当に足を運ぶと思いますよ。少しばかり破天荒な社長ですが、悪いようにはしないはずです」
くすくすと笑う谷田は、なにやら意味ありげな目をしていた。
◆
約束の期日、はたして貴田は大八木のキャンピングカーで、TMマネキンの事務所までやってきた。
ドアを開け放つと、開口一番、
「ブログ読んだでぇ、大したもんやなあ」
従業員たちは、不審な爺さんがやってきたとばかりに胡散臭そうに見やり、押し黙っている。
首を竦めるような会釈をする者、無視を決め込む者。その様子を見て、貴田は豪快に笑った。
「挨拶もロクにできんのやなあ」
「すいません、貴田会長。ほら、お客様なんだから挨拶を……」
「ええってええって。懐かしいわ、三十年前はうちの会社も似たようなもんやったで。いや、それよりひどかったかもしれん」
彼は鷹揚に首を振ったあとで、ぽんと手を打った。
「よし、ワイもあと3ヶ月も日本で何しようと考えたところや」
にっと笑った顔は、いかにもいいことを思いついたといわんばかり。
「毎日遊びにくるでぇ」
「……はい?」
あらかたの事情を説明してあった轟も、隣でぽかんとしている。
「早速、明日は土曜やけど、みんな集めてや」
「は……はい!」
ここの会社の人たちは、どうしてこう強引なんだろう。そう思いながらも、展示会のときを思いだして、前田はどこかわくわくしていた。
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はい今日はここまで
会社が成長する段階で必ず人の問題は出てきます。
それをどう解決するのか。
「簡単やけど、簡単ではない」貴田は言いましたがその通りです。
今の私たちのメンバーを見ると(手前味噌で恐縮ですが)未熟ながら皆が一生懸命でいろんな個性がありつつ、それぞれにいいところを持っていて素晴らしいスタッフが揃っています。
そしてこれからもそういうメンバーが増えて行きます。
そしてそれが風土となります。
「その会社の風土に合うものは楽しくイキイキ働きく」
しかし その風土に合わないものには居場所がない」
ビジョナリーカンパニーの一説です。
私は過去にビジョナリーカンパ二ーを創ろうと決めました。
”理念とビジョンを仲間で共有し、同じ方向をみて同じ方向に進む”
これが全てのスタート地点であり、大切なことです。
その次に戦略であり事業コンセプトです。
”凄い展示会”というソリューションも 革新的なマネキンも展示会ツールももちろんこの執筆もすべて事業の目的「感動価値創造」という理念の為の手段でありツールなのです。
それをわかった時、道をそれず、今やっていることの意味が価値を生み出していることを感じることができる。
そして価値観を共有する仲間、明確な判断基準により生まれるのは”圧倒的なスピード”
ストーリーは自身の経験を盛り込んで相変わらずリアルに進んで行きます。
それが皆様のお役に立てれば嬉しく思います。