執筆6 | 「全力でふざけて稼ぐ」をコンセプトに事業展開してます。やりたいことをやりたいだけやって死ぬ。360°の幸せを創造しながら

「全力でふざけて稼ぐ」をコンセプトに事業展開してます。やりたいことをやりたいだけやって死ぬ。360°の幸せを創造しながら

「魅せ方で価値を変える」株式会社ゼンシン
代表 前田雄一が夢、目標、日々の出来事を綴っていきます。
ディスプレイ×テクノロジーで世界を変えていきます。

お待ちかね^^

株式会社凄い展示会 そして 谷田の登場で盛上がってきました!!

本日から実際に展示会を成功させる為のノウハウを入れて行きます!

それはフィクションでありながら、自分の経験や実践で得た知識が237%詰まっています。


さあ 続きです↓

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「実はマネキンの商品名をまだ考えていません。アパレルショップに使用するマネキンとしか……」


「では、マネキンの名前を考えてください。いいですか、モノが売れないのは皆が知らないからです。

また知ってもすぐ忘れるからなんです。

それはどんなに革新的で良いものであっても同じこと。名前は覚えてもらうひとつの要素です。語呂がよく、記憶に残るものにしてください」


 言われてみれば本当にその通りとしか言いようがないのだが、前田と轟の間では、型番やらなにやらで話が通じてしまい、名称を改めて決定する機会がなかったのだ。

つうかあで通じてしまう二人会社の欠点ともいえるだろう。

 前田はだまって頷いた。やりこめられっぱなしは口惜しいと、少々の悪戯心が芽生え、
「御社の会社名のように、ですかね」



「ええ、左様です。よくお分かりではないですか」

 ただただ不遜に見えていた谷田の笑みに、悪戯っぽいものが混じった。


「それから」

 まだあるのか。前田は身構えた。


「TMマネキン様が展示会に出展なさる目的は何ですか」

「うちのマネキンを多くの方に知ってもらって、受注に繋げるためです」

 今のままでは契約が取れない。それは、ここ数ヶ月の無為な売り込みで痛感していたことでもある。

「なるほど」

 谷田は頷いて、手元の書類に書き込んだ。……口惜しいかな、ボールペンを持つ様子まで様になっている。

えんぴつのように六角形をした銀色のフォルムは、前田も知っている海外メーカーの高級品だった。

書類から目を上げず、彼は続ける。

「目標を数値化してくださいね」

「数値化……はあ」


「つまり、どれくらいのお客様にブースに来訪いただき商談に持ち込むのか。

そして、どれくらいの受注を目指すのか。

どれだけの見込み客を獲得するのか。

とにかく 単に漠然と出展するだけでは、資金と時間の無駄になりますよ」



「多くの出展社のように、、、」
ポツリ 

谷田の顔が一瞬 険しくなったのは気のせいだろうか。



 前田が持ち歩いているの百円ボールペンで謎の敗北感とともに、スーツの内ポケットから手帳を取り出して書き留めた。ときどきインクの塊を吐き出す安物のペンが止まったころを見計らってか、

「さて今日はここまでにしましょう」

「今日は?」

「ええ、今日は、です」

 谷田は大きく頷く。その表情はなんだか妙に嬉しそうだ。


「凄い展示会ノートにヒアリングシートがありますね」


 中程よりいくらか後ろのページです、と彼はページ数を諳んじてそつなく付け加えた。


 ひかるからもらった件の冊子をカバンから取り出してめくる。あった。

出展の狙い、展示目標、キャッチコピー……細かくいくつもの項目にわかれ、3ページにわたって質問事項が書き連ねられている。

事前に読んだときもその存在には気づいていたのだが、これくらいどれもその場で簡単に答えられるだろうと解答欄は埋めずに来た。ところが、先ほど商品名すらすぐには答えられないことが露呈したばかり、言われるがまま、ぐるぐると指定されたページ番号に丸をつける。


 冊子に気を取られていると、谷田は出来の悪い教え子に宿題を出す教師よろしく頷いて、

「それを埋めて、また来週いらしてください。とくに戦略的フォーカスはお互いに目的・目標を共有して戦っていく為には重要ですからね」

「戦略的フォーカス……ですか」


「御社が活動する上で目指す明確かつ具体的なビジョン、といったほうがわかりやすいでしょうか。このヒアリングシートを埋めれば、自ずから見えてくる。そうした形に作成してあります」

 

自信満々に言い切った。次いで彼は、


「十一月八日の金曜日の午前中は空いていますか?」


 いきなりの日付指定だ。前田は手帳を急いで取り出した。


 ちょっとした見栄である。

悲しいかな、確認するまでもなく商談などが入っているはずもない。

「あっ、……はい」


「では、次回は八日に。本日はありがとうございました、お見送り致します」


 谷田は、満足気に頷いたあと、嫌味なほどに完璧な笑みを浮かべて立ち上がった。

 玄関で谷田に見送られながら、前田はふと洩らした。

「今日はありがとうございました。次回は本当にすぐですね」


「いえ。時間は足りないくらいですよ」


「え? だって、まだ二ヶ月もありますよね。ブースを作るのにそんなに時間は……」


「ロゴ作りからウェブサイト、カタログにチラシ、そしてアメブロにフェイスブックにユーチューブ」


 いきなり、谷田が呪文を唱えた。

いや、呪文ではない。一拍遅れて、それらがネット上のメディアのことだと思い至る。ぽかんとする前田に笑んでみせ、彼は続けた。


「宣伝媒体にはこれだけの数があります。ただブースを作るだけが展示会の準備ではありません。どれだけTMさんのマネキンに興味のある方を呼べるかが、肝なのですよ」


「でも、アパレル関係者が集まる展示会こそが宣伝の場なんじゃないんですか?」


「展示会に来た人が全てTMさんのブースを見るわけではない、ということです。……立ち話もなんです、今度にしましょう。では、前田様。本日は遠いところをお越しくださってありがとうございました」

 なんて一方的で掴みにくく、勝手な男なんだろう。

そう思いながらも、前田はなぜか心のなかで次の面談までの日数を数えている自分がいることに気づいた。





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つづく。

谷田のアドバイスが前田の運命を変える!! しかしそれまでには多くの試練が・・・・

次回はまた来週!

では~

続きは↓

以前のストーリーは↓
http://s.ameblo.jp/zensin/theme-10087629255.html

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「凄い展示会」をプロデュースする株式会社ゼンシン 前田雄一