こんにちはー。


本日はお仕事が昼からなのでその間に書いておきたい事など。


長編を時間をかけて読んでいると前巻迄のストーリーが頭から消えていてまた一から読み直すみたいな事がありまして、こうして備忘録的に残しておけば頭にも入るかなと。


なので他の人にはあまり面白くもないと思いますのでお暇な方はどうぞ。


塩野七生さんのこのローマ人の物語も6巻位まで読んでたのですが、また読み直しで3巻に巻き戻っております。


この巻は第一次ポエニ戦役のお話です。

巻の表題はハンニバル戦記上巻ではありますが、スキピオとハンニバルはこの時代にはまだ登場しません。


ポエニ戦役っていうのはローマとアフリカ北岸(チェニジアのあたり)に大勢力を築いたカルタゴの戦争で紀元前264年から241年までの23年も続いた戦争です。


舞台はアフリカ北岸とイタリア半島の靴のつま先を繋ぐ間にあるシチリア島で、この島の領有を巡って長いドンパチが始まります。


戦前のシチリア島は西側半分がほぼカルタゴの勢力圏内で、東側半分の北にメッシーナ、南にシラクサと言う国がありまして、ローマに最も近接しているメッシーナがシラクサに攻められてローマに助けてくんない?って言って来ます。


ローマは考えます。ここで断るとたぶんメッシーナはカルタゴを頼るよね。んで勝っちゃうとメッシーナはカルタゴ勢力圏になっちゃうからそれは具合が悪い、いっちょ加勢しますか、で参戦します。


シチリアにローマ軍が乗り込んじゃったものだからシラクサだけでなくカルタゴも神経を尖らせます。シラクサが滅びちゃうとローマの勢力圏がシチリア西側に拡がるやん!とカルタゴはシラクサと手を組んで挟撃、こうしてカルタゴとローマの直接対決に発展して行きます。


最終的に大海洋国家カルタゴに対抗する為、海軍のかの字も知らないローマは突貫工事に次ぐ突貫工事で海軍を創り上げ、双方大きな戦死者と戦費を注ぎ込んでローマに軍配が上がります。


戦役後のローマの帝国経営や海洋国家への生まれ変わり、カルタゴの内部の軋轢からスペインに勢力を拡げるハンニバルの父ちゃんなど興味深い話盛り沢山ですが、一番思うのはローマとしてはカルタゴと戦争したくて始めたわけじゃ無いのにどえらい事になってもーたって所でしょうか。


ロシアとウクライナの戦争もウクライナのEU諸国への接近によるNATO勢力圏がロシア領と近接する問題が発端のようなもので、2000年以上も昔から人間のやってる事はあまり変わりが無いと申しますか、逆にその後の世界はずっとローマの帝政の歴史をお手本にしているのではないかと訝しむ気も起きてきます。


対立した大国の間に身を置く国は結局どちらについても悲惨な事になりそうです。ただ、シラクサを想う時、どちらの大国が勝利するか分からない時に最終的に判断する元になるのは、たとえ敗戦したとしても自分の国の国民が幸せに暮らせるかどうかになるように思います。