内容に重複感ありですが、慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎に効果がありそうだと思っている体操（ゆるめ方）について。

その前に、つくづく思うのは膀胱やら前立腺に問題があるとされる症状ですが、どうも胃や腸といった泌尿器系以外の内臓に不調を感じる人が結構いらっしゃるのではないかと想像します。

過敏性腸症候群とかナントカ大腸炎なんて診断になる人も結構いるのではないかと。

人によっては動悸といった心臓の問題のようにも感じられるかもしれません。

なぜそうなってしまうのかというと、これはやはり腸や膀胱にとって居心地の悪い体の条件がそろっているからだと思います。

腸や膀胱は骨盤内に収まっているので、一義的には骨盤とか腹部の問題となります（その上流の問題に上半身の崩れと呼吸の浅さがあると思っています）。

『骨盤の頭痛』では慢性前立腺炎や間質性膀胱炎は骨盤底の緊張が大きな要因とされていますが、心理的な緊張が続くと骨盤底が縮んでしまう（左の骨盤の開閉が悪くなると換言してもよさそう）ので、まずはこれをゆるめたいわけですが、それには下記のイラストのように、うつ伏せで寝て右脚は伸ばしたまま左脚を曲げた姿勢でお腹の下まで息が入るようゆっくり呼吸するような体操がよいのではないかと思います。

呼吸の度に骨盤とかお尻のあたりが膨らんだり縮んだりするのですが、この呼吸のストロークで仙骨と腸骨の境目がほぐれていくようなイメージで呼吸していきます。

仙骨の周辺に可動をつけてやることで、仙骨神経への圧迫や牽引を緩和する効果も期待できると思います。

こういうリラックスの姿勢は漫然とやるよりかは、静かな環境で、体がどういう風に変化するかを観察しながらやるのがよいと思います。

ウトウトするくらいの心持ちでよくて、「これで治してみせるぞ！」といったイライラしたような気合はかえって効果を減じてしまうかもしれません（イライラしながらやっても結構リラックスできるとは思いますが…）。

左脚を曲げる意味ですが、左の骨盤は開閉運動が得意なので骨盤底が縮む場合、左のほうが縮みやすいのではないかと思っています。

左の腸骨を開くことで骨盤底がゆるむ状態になるのではないかと思います。

試しに右脚を曲げてやってみてもよいと思いますが、自身の場合、左脚を曲げたほうが曲げやすいというか、リラックスした姿勢になることが多いのではないかと思います。

これは関節の可動域を広げるストレッチではないので、曲げにくいほう、抵抗のあるほうを狙って余計にやるといったものではありません。

ですので、曲げる脚については左でも右でもよいですし、どのくらい深く曲げるかも色々試してみたらよいと思いますが、とにかく、「骨盤底が楽な姿勢を探す」ことに意味があると思います。

一番楽な姿勢でゆっくり呼吸することが目標です。

これは仰向けでやってもよいのですが、個人的にはうつ伏せがオススメです。

というのも、うつ伏せというのは背中がゆるんだ状態で、腰への負担も少なく、胸郭が上がりやすくなり、呼吸が楽になる姿勢だからです。

うつ伏せの姿勢というのは腰椎５番への負担も減るでしょうし、骨盤を開いた姿勢で呼吸をするというのは腰椎４番の緊張を緩和する姿勢なのでL4、L5の緊張緩和によいのではないかと思います。

下記のリンクも大変参考にしております↓

「腰椎4番の疲れとり体操」

リンク先にあるように体の緊張の左右差がねじれとなって胸椎５番から上がねじれてくると、いわゆる自律神経失調症となってめまいやら何やら、派手な症状になってきそうです。

なお、L４に負担がかかると下痢気味になったり、平衡感覚がおかしくなることもあるのだとか…。

また、L4、L5が硬直したり負担がかかる理由の一つはやはり胸郭の問題がありそうで、上半身が崩れてくるとその負担が腰に押し寄せて、関連痛でいえば膀胱内膜や尿道の痛み、陰部一帯の神経痛となる、といえそうです。

上半身の崩れで骨盤のアライメントがおかしくなることもあるでしょうし、肋間が硬くなって呼吸が浅くなると胃腸といった血液を大量に要する臓器も弱っていく、と。

ですので、骨盤底を緩めると同時に、上半身の崩れを修正したい（肋間を広げて呼吸を深くしたい）わけですが、大雑把に効果がありそうなのは猫のポーズと呼ばれる体操ではないかと思います。

【ガチガチの肩や背中は猫のポーズでほぐそう！】伸びる猫のポーズアレンジで最上級のリラックスを

胸郭が下がって肋間が硬い人というのは背中がバリバリに硬くなりがちなのではないかと思います。

ネコ背っぽい姿勢というのは、

・頭が前に出てくる（首が痛い）

・胸郭が下がるので胃や心臓といった内臓、みぞおちに負担がかかる

・呼吸が浅い

・巻き肩傾向で、胸に緊張が生じる

・背中が張って肩甲骨周辺が痛かったりする

・お腹が縮んで、お腹が縮む結果内臓への血流が悪くなり、腰が張ってくる（腰が丸まる）

・長時間腰が丸まるので腰まわりが硬くなり、腰痛傾向になる

・骨盤（腸骨）が下がって垂れ尻、下腹がポッコリ出てくる

・股関節も詰まる感じがする

といった条件がそろいやすいのではないかと思います。

細かく見ていけば、その左右差が問題だったりするのですが。

で、胸の問題なのですが、緊張というのは胸にも集まりやすくてツボでいえば膻中や玉堂といったあたりに特有の圧痛とか緊張感を起こすそうです。

胸が緊張している人（胸郭が下がって胸が開かない人）は大胸筋や小胸筋に痛みを覚えることが多いですし、これを緩和するために無意識的に腕を組んだりすることが多いそうです。

胸の辺りというのも自律神経失調症とかかわりがあるそうで、中にはこの辺の緊張が機能性ディスペプシアなどと呼ばれる症状を来すことがあるようです。

セルフケアとしてまずは胸に手をじっとあててゆるめたり、胸鎖関節、鎖骨の辺りを温めたりするのがよさそうですが、もうちょっと探っていくと、手の指（特に親指と人差し指）→腕の内側（内関のツボ）→上腕二頭筋→胸筋、というラインに緊張を覚えることも多いのではないかと想像しています。

デスクワークやスマホというのは手指や腕を内側に曲げた状態でこれを酷使するので、これが胸の緊張に波及してしまうということは結構多いのではないかと思います。

頭が前に飛び出てくると首が痛くなりますし、代償姿勢として仙骨が後ろに飛び出て骨盤周辺の異常にもなりうるわけです。

疲れると腕を伸ばして外旋させ、胸をグーっと反らす運動をしたくなると思いますが、指や腕の緊張が胸まで来るのを緩和したくなるとこういう動作をしたくなるのでしょう。

ですので、例えば人差し指をピーンと伸ばしたまま、腕も伸ばして胸を開いていくような動作も胸の緊張緩和にはよいかもしれません。

やってみると手掌腱膜（手のひら）とか上腕二頭筋がピンピン張って痛いかもしれません。

まずは胸を操作してもよいのですが、その上流には腕や手指があるのではないかということですね。

面倒であれば肘湯といって肘から手指までを熱めのお湯に浸して指から腕の緊張を解く方法もあって、これも結果として胸の緊張を緩和し、呼吸器の負担を軽減する効果があるのでしょう。

概ね上記のような体の条件が慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎で起こっていることなのではないかと思っています。

泌尿器系以外のいろんな不調が出るのも上半身の崩れや胸が開かないという現象が指摘できそうで、これを泌尿器科、消化器科、心療内科と科の異なる医療機関で診断してもらっても、原因がよくわからないナントカ症候群みたいな診断をもらうばかりとなってしまいそうです。

セルフケアでやっていることは色々あるのですが、寝る前にいったん体をいろんな方法にグネグネ動かすということも結構効果があると思っています。

イメージとしては下記のようなものです↓

気持ちいい方向にカラダを任せるー快氣法ー（L4）男性バージョン

動画では決まったポーズのようなものが紹介されていますが、こういうポーズも参考にはしつつ、もう自由に好き勝手に動かしたい方に伸びたり縮んだりを10-20分くらいずーっとやっています。

腰がだるいと背中を反ったりしたくなりますし、胸が緊張すると手を広げたくなるわけですが、そういう無意識的な緊張緩和動作を寝る前に自由気ままにやるわけです。

最近は指も結構重要だと思うようになったので、指をピンと張って腕をいろんな方向に伸ばしたり、手のひらを内旋、外旋させたりして肩や胸にどう響くかとかも観察してますが、伸びにくい方を伸ばすとかではなく、やって気持ちのよい方向をなんとなくやるのが重要かなと思います。

結果、現代舞踊とか金粉ショーのような奇妙な動きになるのですが、うまくいけば翌日目が覚めた時にスッキリ目が覚めると思います。

目覚めたときに爽快感が多少なりともあればひとまず成功でしょう。

緊張が抜けない人というのは寝ていても緊張がとれずに目覚めが悪いわけですが、体の不調は睡眠によって回復していくので、多少なりとも爽快な目覚めを得られるような睡眠をいかに積み重ねられるかが慢性失調を改善するキモではないかと思います。

ですので、寝る前にいろんな体の緊張を緩和してから寝る、ということが結構重要ではないかと思っています。

お風呂もその効果があるのですが、微妙な左右差とか、体の一部（例えば目とか）に極限した疲れというのはお風呂では抜けきらないのですよね。

（あんまり寝られない状態ならトリプタノールといった薬もありだと思います。なお、妙な話ですが、男性の場合寝ている時に腰の緊張がうまく緩和されると男性自身がいわゆる朝○ちになって、血が通った感じがでてくるかもしれません）

さて、薬についてはこれで姿勢や自身の感受性が直ることはないのでやや後ろ向きではありますが、とりわけ胃腸の不快感には漢方薬は効果があるように思っています。

胃部、みぞおちの膨満感にはひとつは四逆散が効果があったように思っていますし、過敏性腸症候群のような下腹部の差し込むような、痙攣するかのような痛みには半夏瀉心湯もわりと即効性があるような気がしています。

いずれも神経症の適用のあるタイプですね。

神経症というのは過敏状態でしょうから、どちらかというと胃腸が弱いというよりかは、エネルギーが余っているというか、体力はむしろある状態ではないかと思います。

この点、本格的に胃腸がよわっていたら補中益気湯とか補剤タイプのやさしい漢方で機能を引き上げてから次のステップに移行するという方針がありえそうですが、自身はおそらくイライラというか、神経の高ぶりが要因のように思われるので上記のような漢方に効果を感じるのかなと思っています。

あとは胸鎖関節をゆるめたり、足三里や足三里の４cmくらい下にある筋が張ったポイント（筋の真上よりかは脛骨寄り）にお灸をしても腸の痛みに効果があるような気がします。

神経症で胃腸がおかしい場合に処方される漢方もたくさんの種類があるので、できれば信頼できる専門家に相談するのが一番ですが、自身は上記のようなタイプの漢方に効果があったような気がしています。

みぞおちは四逆散、下腹部（おそらく腸）の突発的な痛みには半夏瀉心湯という感じですかね。

ほかにももっと効果のある処方はありそうですし、組み合わせもあるとは思いますが。

というわけで、これまでと同じような内容になりましたが最近やっていることの紹介でした。

骨盤底の緊張をゆるめて胸郭をあげる――胸や腕の緊張緩和、半夏瀉心湯