F1日本グランプリ~F1をもっとおもしろするには? | 全日本東京倶楽部バンド

F1日本グランプリ~F1をもっとおもしろするには?

久しぶりに世間の注目を集めたF1日本グランプリは、予選状況から一変してフェルナンド・アロンソが勝利を収め、ワールドチャンピオンの座をほぼ手中にした。レース自体は、完璧なフェラーリのレースプランをじわじわと崩していくアロンソのたった一人の挑戦というおもしろさがあった。レースを見終わった後も余韻に包まれていることは確かである。ただもう30年近くF1を見続けているおいらからすると最近のF1がつまらないことは間違いない。

サーキットに足を運ぶファンにしてみれば、F1マシンが目の前を走っていくだけで満足なのだが、テレビでレースを見るとなると、最近はすっかりバトルのない展開なので、うぉーと思うことがアクシデント・ハプニングぐらいしかないのだ。今日のレースだって下位のチームのリアウイングが吹っ飛んだのと、最終コーナーでのクラッシュと、ミハエル・シューマッハーのエンジンブローのときだけで、オーバーテイクやサイドバイサイドのシーンはなかった。巷で言われているようにピットストップでの順位入れ替えだけでほとんどレースは決まってしまうわけで、うちのかみさんの「車がぐるぐる走っているのを見てなにが面白いんだ?」という意見に反論もできない。

昔は4勝すればワールドチャンピオンになれたし、1年間の勝者も5~6人いたわけで、それだけ1勝の持つ意味が重かった。マシンの信頼性だって低いし、1度のピットストップで優勝圏外という展開で、すべてがコース内でのドライバー同士の戦いで決まっていた。今はチーム・マシンの比重が非常に高いので、ドライバーの戦いを見ることが難しくなっている。

以前のような興奮を取り戻すには、レース中の給油をやめることだ。ネルソン・ピケのブラバムチームが最初に行ったこのインディスタイルの作戦はレースの質を変えてしまったが、これをやめることでコース内でのバトルが増えるだろう。マシンセッティングも燃料満タン時と軽くなってからのバランスを取るのが難しいし、計算を間違えればガス欠でストップってこともあるだろう。なんといってもピットストップなしでレースを終える可能性もあるわけで、1回のストップのロスタイムが40秒ぐらいだと考えると十分考えられる作戦だ。ドライバーもオーバーテイクでしか順位を上げられないとなれば、激しくプッシュすることだろう。接触も増えるだろうがそれはエキサイティングなシーンが増えることであり、危険が増えることではない。F1ではレース中の他車との接触での死亡事故ってスタート時を除いてほとんどないのだ。