今回のテーマは気功とは全く関係なさそうですが、以外に共通する部分があると思いますので書きます。
功夫、日本では一般的にカンフーと言われます。(またはクンフー)
カンフーと言われ日本人が思うのは、一連の中国武術の事で、多くの人は ブルース・リー ジャッキー・チェン リー・リンチェイ が頭に浮かぶと思います。
武術的な意味で 功夫 と言えば普通の人とは違った 特別な力 と 優れた格闘的な実力 を示す事が多いです。
功夫の使用例としては 日本人だがお前は功夫がある 等の表現が使われる事があります。
功夫の無い人、有る人を比べると 武術的な実力では ネズミ と ネコ ぐらいの違いが有り、功夫の無い人から見れば 超人 に感じます。
超人に見えますが、功夫のある人も普通の人間です。
では何故超人の様な実力になったのか?
それはトレーニング(練習)を続けたからです。
私は武術をチョットだけ嗜んでますので言いますが、功夫の練習は特別・特殊な事をする訳ではありません。
正直、内容的にはラジオ体操とさして変わりません。(ラジオ体操より少し要求が高く、少しキツイぐらい)
中国武術には秘伝と呼ばれる物が多くありますが、秘伝と言われる物も、ほんのチョットしたコツに過ぎませんし、それにより、劇的に何かが変わるなど有り得ません。
ですから、仮に秘伝を知っても、練習してできるまでやらないと、全く意味がありません。
実は秘伝と言われる物は最も基本であることが多く、入門初日に、先生が教えてくれます。
しかし、初日に教えてもらった事が 実は秘伝であった と気づくのは何年、何十年も後の事になります。
秘伝=基本です。
少しだけ秘伝の話をします。(本やネットから得た情報ではありません。)
中国武術には点穴と呼ばれる体系の術があります。
人体の一点(ツボ)を突き、相手に致命傷を与えたり、死に至らしめたりする技術です。
ほぼ、北斗神拳の世界です。
この技術は非常に危険な為、シッカリとした人格者でないと、大変な害となってしまいます。
そもそも、激しく動いてる人間の決まった一点を突きますので、トンデモナイ実力がなければ、ツボを知っていても術が成立しません。
しかし、この技術を実際に実戦で使い、大きな効果をあげたと聞いた事があります。
その時は死穴(死んでしまうツボ)は使わなかったそうですが、無類の効果を発揮したらしいです。
古の超達人の話です。
超達人にも子供がいましたが、残念ながら点穴を伝えるだけの功夫に達しなかった為、その流派で点穴は失伝しました。
この事実からも秘伝は基本の積み重ね上に存在し、必要な基本が積み重なっていないと無意味だと言うことが分かります。
ここまでは一般的に言う 秘伝 の例です。
そして、もう一人の超超達人の話です。
私が超超達人の弟子に 点穴 の様な技術にはどの様に対応すれば良いですか? と聞いたところ
突かせなければよい と言われてしまいました。
ごもっとも過ぎて何も言えませんでした。
そして、基本を磨きなさい、それが全てだ と言われてしまいました。
だから、我が流派には点穴や関節技は無いと言われました。
北斗神拳の様な秘奥義 点穴 も基本の前には霞んでしまうような言葉をいただきました。
一般的に秘伝と言われるような物であっても、立場や人が変わればなんの意味もありません。
秘伝と言う物が仮にあったとしても、秘伝は盤石な基本の上でしか成立しません。
そういった意味からも武術的に最強は 基本(カンフー)となります。
本題は次回へ続く