陰陽合気法 1日目
陰陽合気法(天地部)、自分の中では最も好きな初級功法だ。
個人的な感想を言えば、とても 気功らしい 功法で、築基功で構築した気感を、陰の気と陽の気に変換し、全身に巡らせる。
気感が全身を巡ることが実感できる、ダイナミックな功法でもある。
この功法には何度も参加しているが、自分の上達が如実に実感出来る。
本日は中々の盛況である、自分も含め遠方からの参加者が半数を占める。
練習は気の瞑想から始まった。
意念で気感を丹田に導引する。
瞑想の基本の基本、意念で気を導引する事、大切な感覚器官、丹田を確認する。
その後、基礎功法の築基功の再確認を行う。
まずは、蛹動、擺動、捻動の動作確認。
ここでは運動の要素を大切にして大きく、筋を伸ばすように動く。
胸の閉じ開き、首筋、腹の奥の筋をしっかりと伸ばす。
そして功法の合間、合間には、気感を重視した瞑想を行う。
基礎としての築基功は大きく動くが、気感を重視した築基功は動きを極力抑え、気の動きに集中する。
そよ風に搖れる草木のように、穏やかに、ユックリ、そして小さく搖れ、蠕動を行う。
揺れているような、揺らされているような感覚。
モワモワした、弾力のある、粘りのある感覚が発生し、何とも言えぬ心地よさがある。
築基功は大きな動きが基本だが、この気感を重視した動きがとても心地よく、大きな動きの蠕動と比べても甲乙つけがたい。
やってみると実感出来るが本当に心地よい。
午前中は、陰陽合気のベースとなる三円功を重点的に行う。
丹田を中心とした、三種類の円に気感を導引する。
ここでも、蛹動、擺動、捻動動作が非常に大切になる。
この三円功は、陳式太極拳の新架式の身法と、ほぼ同じである。
陳式では功夫架とも言うと聞いたことがある。
丹田をこねくり回す、三円功が大好きだ。
こんな動きは日常生活には無いため、腹、内蔵廻りに相当、効くと思う。
そば粉をこねているように、うどんの小麦を練っているように内蔵を練る。
仮想の器官である、丹田がこれでもかと練られ、強化される。
午前中はこれにて終了。
午後、昼寝から覚めた後は、蠕動から始まる。
そして、瞑想、三円功と続く。
こうして、動功と静功である瞑想を、交互に行うと、動功が密接に瞑想に関係している事がよく理解できる。
動功は動功だけ、静功は静功だけと言う考えは間違っていると思う。
動功があるから静功が成り立ち、静功に取り組みたいのであれば、そこには必ず動功が必要となる。
世の瞑想には、この動功の部分が欠損している事が多い。
光と影は一対である。
一連の動功を行い、その気感を基にした瞑想を行うと、とても落ち着いて、穏やかな気持が発生する。
それは動功で発生した気感に意識を集中することにより、瞑想が穏やかで、落ち着いた気持ちを、もれなく連れて来る。
発生した気感に、しっかり集中できれば 心地よい感覚 は必ずやってくる。
この、落ち着いていて、穏やかな気持が、瞑想のベースになる。
この状態がこそが 本当の意味でのリラックス だと、個人的には思っている。
その為にも、良質な気感を構築する事は必須である。
午後からは、午前中に三円功で築いた丹田の気を使い、陰陽の気へと変化させ全身へと気を巡らせる。
陰の気を巡らせる功法 接地陰。
陰の気を全身に巡らせる。
丹田で発生した気を陰に変化させ、陰脈、陽脈を通し、全身を陰の気の中に置く。
陰の気の中に身体を置くことで、身体に具体的な変化が訪れる。
陰の気の作用で全身がとても涼やかである。
陰の気を丹田に一度戻し、今度は陽の気に変化させる。
陽の気を全身に巡らせる 通天陽 の功法を行う。
丹田の気を陽化させる。
全身が陽の気に包まれ、何ともいえぬ心地よさが発生する。
姿形は、ドラゴンボールの元気玉を発生させる時のようである。
穏やかな日差しを浴びているようで、縁側でひなたぼっこをしているような感覚だ。
陰脈、陽脈を陽の気が通る。
最後は、陽の気を丹田にお返しする。
午後は三円功のおさらいを行い、後半は主に接地陰と通天陽を行った。
今でこそ、三円功も接地陰も通天陽もなんとか理解出来るようになったが、最初の頃は、陰の気、陽の気を発生させる事が上手くできなかったし、陰脈、陽脈も上手く気が通らず滞ったことも多々あった。
練習を地道に続けた事により、多少なりとも身体で理解できるようになってきていると思う。
動きを極力抑えた、蠕動により気を発生させ、三円功により丹田の感覚を強化し、接地陰、通天陽により、陰陽の気を全身に巡らせる。
これらの気を基に瞑想を行うと、落ち着いて、穏やかで、心地よい気持ちになる。
午前、午後を通し、発生した気感を自分の弱い臓器に気を巡らせる、双雲功の動作も行った。
この気持ちは料理で言えば 出汁 みたいなものなので 出汁 が取れていないとまともな料理を作る事が出来ない。
よって、築基功や陰陽合気法(天地部)等は、基本、初級と侮っては行けなない。
ここでの 出汁 の取り方が、今後の全ての功法に影響する。
明日に続く