太極拳の歴史も 楊式太極拳 まで来た。
ここいらで太極拳の歴史は一段落として、武術としての太極拳を少し取り上げる。
今や気功としての揺るぎない地位にある 太極拳 だが、太極拳は元々武術です。(今も武術だけど)
ここでは、太極拳の実戦面を動画で取り上げてみます。
太極十年不出門と言う言葉がある。
太極拳は入門してから10年が経つと戦えるようになる的な言われである。
逆を言えば、練習をしても10年間はまともに戦えないと言う事とも言える。
太極拳は功を得るために、大変時間がかかると言う事を示す言葉である。
(個人的には3年もやればそれなりの功を得られると思う)
では、太極拳で戦えると言われ、動画に残っている人はどうなのか?
まずはあまりにも有名な 呉陳比武 である。
事の発端は 呉式太極拳 第三代の 呉公儀老師 が新聞社のインタビューに 太極拳はボクシングとも戦える、お互いに研究してもよい と語った。
口は災いの元 とはよく言った物である。
普通の人が研究と言えば、本当に研究と思うだろうが、武術家の言う研究は別の意味もある。
だから武術家相手に 互いに研究しましょう と言ってしまうと大変な事になる。
本当に大変な事になる。
中国はメンツを大変重んじるので、本当に大変な目に合う。
呉公儀老師 はボクシングに対して言ったのだが、この言葉に食いついてきたのが 白鶴拳 の 陳克夫老師 であった。
少しオタクの人なら知っているが 鶴拳 は空手(剛柔流系)の源流筋にあたるが、この 陳克夫老師 の収める 鶴拳 は一般の 鶴拳 とは違う ラマ系 の 鶴拳 とされている。
ラマ拳法 → チベット拳法 である。
ラマ拳法、噂で聞くことはあるが、全容は分からない。
自分が聞いたことがあるのは ラマ拳法 は恐ろしく強いよ言ったことぐらいで、おかしなことを書くといけないので他の知識は封印である。
当時 呉公儀老師55歳ほど、陳克夫老師30歳ほどであったと言われている。
呉公儀老師 の息子が自分が戦うと申し出あたが、 黙っとれ、わしがやる と 呉公儀老師 が言い、戦いが実現した。
香港マカオでのグローブマッチであったらしい、ある程度ルール的な物があったらしい。(蹴りは禁止)
1954年1月17日、観衆8000人とされている。
後は動画をご覧ください。
太極拳では有名な 呉陳比武
本来は3分、5・6ラウンドの予定であったが、実際には蹴り技が出てしまい、2ラウンドでストップとなる。
この動画を見られてどう思われただろう、判断は皆さんにお任せする。
呉公儀老師 は 呉式太極拳の直系である。
呉式太極拳は楊式太極拳の直系でもあるが、姿勢の要求が少々、楊式とは異なる。
北京で太極拳と言えば 王培生老師 の名が挙がる。
この方は既に鬼籍に入られているが、呉式太極拳の伝人でもあり、八極拳の伝人でもある。
王培生老師 の武術は日本でも学ぶことができます。
呉式太極拳 王培生老師
馬 長勲老師 この人も 呉式太極拳の伝人であり、最近、本も出されているので知ってみえる方も多いと思う。
武術家には非常に興味深い内容の、書籍であった、お勧めの一冊である。
この 馬 長勲老師 は推手の神様と言われた人である。
推手とは太極拳のスパーリングみたいなものである。
呉式の推手は強いと聞いたことがあるが、私程度ではこの動画の奥深さ技術レベルは正直サッパリ分からない。
馬 長勲老師 推手
鄭曼青老師 この方は、楊式太極拳を学び、長い楊式の型を短く纏めた方である。
本家筋の楊家に正式な型として認めてほしいと懇願するが却下され、独自の太極拳 鄭子太極拳 を名乗る。
私が、小耳に挟んだのは 鄭曼青老師 は修行時代に悩み、ある太極拳を学んだと聞いた。
聞いただけなので、本当かどうかは分からないし、知らないが、架式を見ると影響はあるだろうと思う。
鄭曼青老師 の太極拳は欧米で盛んに行われている。(日本では非常に少ない、個人的には簡化よりもず~っとお勧め、もっと普及してほしい)
鄭曼青老師 は欧米では超能力者ではないかと言われ、実験の対象にもなった。(相手の攻撃をはじき返してしまう為)
そして他の文化的な事にも大変造詣が深く 五絶老人 とも呼ばれた。
鄭曼青老師
黄性堅老師 は 鄭曼青老師 の弟子である。
黄性堅老師 は 鄭曼青老師 に入門する前に 既に、白鶴拳(空手とも関係のある鶴拳です)の達人であり、推手試合で 鄭曼青老師 の弟子にに全て勝っしまった。
鄭曼青老師 が 君はそれほど強いのであれば、私に弟子入りする必要などないだろうと断ると、白鶴拳の求める物と太極拳の求める物は同じなので、さらに自分の武術を高みに引き上げたいと懇願し、入門を認められる。
この 黄性堅老師 の実力は相当なものであったらしく、台湾の武術試合に弟子と出場し軽量、中量、重量級を総なめにしてしまう。
黄性堅老師の推手
黄性堅老師の弟子、鄭顕氣老師の推手
鄭顕氣老師テレビ出演
この動画は 黄性堅老師 が実際にプロレスラーと闘ったときの動画である。
コロコロ転がされているのがプロレスラーである。
パンチ、キックは無いが太極拳家が他の格闘家と闘った貴重な動画である。
黄性堅老師 の 鬆身五法(無駄な力を抜く、リラックス法)
気功的に行っても、大変効果が有ると思います。
探せば日本でも学べます。
黄性堅老師太極拳の極意です。
鬆身五法
思ったより、長くなってしまったので、一度小休止。
続く