二日目
朱剛先生が主催される禅密気功には、いくつかの瞑想会の種類がある。
おおよそ三日~五日間、AM10:00~PM5:30までの日程で開催される事が殆どである。
昼食、昼寝の二時間ほどを除いた時間が瞑想に充てられる。
瞑想は多少のブームもあるのか、いろんな場所、いろんなスケジュールで開催されていると思うが、ここまでガッツリ座る瞑想はそう無いのではないかと思っている。
何でそこまでガッツリ座るかと言うと、ガッツリ座る事で瞑想で求めるところの上達に早くたどり着けるからだと思っている。
さあ二日目の始まりである。
午前中は一日目の復習を行う。
昨日、丁寧にじっくりと練功を行った事により下腹部にコンニャク玉が入っているような妙な感覚がある。
丹田に充実感はあるが熱感程の感じは無い。
しかし密処に微量の電気を流されているようなジンジンとした感覚がある。
密処と丹田は距離的にも近いので、丹田にもジンジン感は伝わってくる。
ここのところ、密処には常に効きの悪いタイガーバームを塗り込んだような感覚がある状態になってしまっている。
午前中はここまで。
本日は少し人が多く、グループを分けて食事に行く。
私は女性陣お二人と食事に行った。
この会員同士の食事もマニアックな話題満載で結構面白い。
各自の経験、情報が集まるので、自分の現状と比べることができ勉強になり、新に得た知識は明日からの練習の糧になる。
午後からは基本的に休憩はない。
辛くなったり、痛くなると個人的にほぐしたりはするが、座れる人は5:30付近まで連続で座る。
午後からは、いよいよ呼吸に合わせて、気を一周させる。
玉枕の気を天頂(百会)付近まで上げて、身体の前面側を降ろしていく。
そして、座る。
禅密気功の教室は江戸川橋界隈にある。
山の手線の内側にあたるので、そこそこ町中である。
大通りからは二本ぐらい中に入っているので、比較的、静かであるが、周辺の工事の音、マンションに住む子供の声、ピアノの練習の音等は常に聞こえる。
しかし、この瞑想会の教室は静寂そのものである。
騒音はあるが、とてもとても静寂である。
こういった感覚は体験してみないと分からない。
人の呼吸、人が動くことにより発生する音は皆無であり、とんでもなく澄んでいて、集中した空気に満たされる。
この雰囲気は瞑想者全員により醸し出されている。
自分にとっては最も好きな時間で、ここでしか味わい体験することはできない至福の時間である。
正直、この現象、感覚、体験は芥川賞や直木賞を獲るような表現力の優れた作家であっても、文書で表現することは不可能だと思う。
この澄んだ、静寂な時間こそ禅密気功の真骨頂ではないかと思う。
こういった集中した時間と言うものは恐ろしいほど短時間に感じる。
少し座っただけで、一時間、二時間はすぐに経過してしまう。
流石に二時間座ると、身体に痛みを生じる事が有るので、泣く泣く身体をほぐす。
そんな感じなので、午後からの瞑想はあっという間に終わってしまった。
しかし、瞑想が終わっても静寂で澄みきった感覚は身体に残る。
こういった感覚が常の生活の中でも保てるようになりたいものである。
小周天のような、基本中の基本の瞑想で、これ程の充実感が感じられる。
この先、瞑想が進むと一体どのような境地が待っているのだろう。
楽しみでしょうがない。
二日目終了