千変万化 意味は分かります。

しかし何十年と生きてきて、この言葉を使っている方に会ったこともありませんし、自分も使ったことはありませんでした。

初めて人から直接聞いたのが朱剛先生が言われた 築基功は 千変万化 です と言われた時です。

 

この千変万化と言う言葉は四文字でありながら、世の事象の全てを表してしまっているように思うのは私だけでしょうか?

 

千変万化には 千 や 万 が含まれます。

当然数字などの単位ですが、別の意味では  多く と言う意味合いを示すような場合に使われます。

しかし、逆に考えれば 千 も 万 も、始まりは必ず 1 から始まると言う事実があります。

1 が無い限りは 千 も 万 もあり得ません。

 

禅密気功には多くの功法がありますが、始まりの 1 があるはずです。

個人的にはその始まりの 1 は築基功であると思っています。

多くの功法を学ぶと 1 が 2 になり、 2 が 4 になりどんどん増えていき、物知りになり、実力もそれに伴い上がったように思いがちです。

しかし、私は 千変万化 は単純に物事が増えていくと言ったようには考えていません。

1=千変万化と思っています。

1は千と万の要素を含み、千や万は1に帰するのではないかと思っています。

気功ではありませんが 1は万になり、万は1に帰する という考え方があります。

 

築基功の動きは非常にシンプルです。

しかしそのシンプルな動きは実は相当複雑な動きが混ざり合い 1つ の動きとなっています。

逆に言えば、自分の意識次第で、シンプルな動きであっても、それ以外の動きの要素を加えることができます。

 

禅密気功で築基功をないがしろにすることは 最初の 1 を手放してしまっていると言えるのではないかと思います。

最初の 1 が手に入っていないのであれば 次の 2 へ変化する事はありません。

禅密気功の 短期講習で年間通じて一番多く開催されるのは 築基功 です。

これは、築基功が最も大切な功法であることを示しています。

 

自分の今の課題は 築基功 を通して最初の 1 を獲得する事と 1 を 2や3にしようとするのではなく、2や3の要素を築基功の 1 に融合させていくことです。

ドラゴンボール風に言うと フュージョンと言ってよいと思います。

 

私は経験上、物事をやたらに増やす事は、本質的に物事の向上に繋がらないと言った経験をしています。

そして、本当に理解できているのであれば、言葉では説明できなと思っています。

だから本当に理解している人の言葉は非常にシンプルで、自分の言葉で話されます。

知識だけの人は、虎の威を借りている人で、弁はたちますが言葉の世界の人で、実践を重んじる世界の人ではありません。

 

優れたものはシンプルであると思っています。

しかし、そのシンプルである物の奥行きは これでもかと思うほど深く繊細で 玄妙だと 思っています。

たくさんの功法を学ぶことは 最初の 1 を深めることになりますが、最初の 1 を決して忘れてはいけません。

 

多くの事を知る者より、一つの事を極めし者を恐れよ。

 

私の好きな言葉です。

 

基本を大切に、基本を疎かにする者には大成は無い、そんなお話でした。