2014年の映画。
テレ東で観て。
主人公は何がしたかったのか。
仕事をしたって、夫の稼ぎにかなわないし、
正社員の今井さんや隅さんでさえ、
どんなにがんばって働いても、課長や部長になれるわけでもなく、
勤続年数が長くなると、給料が高くなるからと、辞めさせようとして、
本社の総務に行かされ、ボールペンなどの備品の管理をさせられるのだという。
それを嫌がって、今井さんは退職したのだという。
10年前は、それが当たり前の世の中。
(そうやっておいて、「女性管理職をふやす」と今頃言っても無理だ。)
女は、王様と結婚すれば女王だ。
能力があっても仕方がないのだ。
王様に気に入られることが大事なのだ。
私の夫はどこに勤めていて~
そんなふうに、話すしかない。
主人公の夫だって、浮気するわけでもなく、
夫なりに主人公を愛しているように思う。
主人公だって、夫とのペア時計を買ったじゃない。
当たり前すぎて、幸せに気づかなくなっているのか。
けれど、それは本当に幸せなのか。
結局ワルだった大学生(中退しちゃうけど)との情事が本当の幸せなのか。
そんな筈はない。
自分でもわかっているはず。
夫と分かれて、大学生と生きていく。
夫との人生を選んで、大学生とは別れる。
どっちにしろ、自分の位置は男性との関係性の中にしかない。
覚悟が足りないんだよ。
自分が無さすぎる。
イギリスのC王妃を見なよ。
王様と結婚することは、悪いことではない。
王様と結婚したことを誇ればいいでしょ。
どっちにしろ、女に生まれたというだけで、そんな境遇からは逃れられない。
隅さんが入社したころは、給料だって安かったんだから。
だから、罪の意識も感じずに、逃げた。
主人公は、だから、隅さんに
「一緒に行かない?」と言った。
自力で生きてきた隅さんには、何のことだか分からないよね。
しかし、
原作は読んでいないのだが、
この映画の展開だと、
「ちょっとズレた金銭感覚の人間が、大人になってもズレた感覚のまま、
結局犯罪を犯してしまった」
ということになってしまわないだろうか。