話を元に戻します
お正月に 伊勢海老が高くなることを見抜いて 「先物買い」をしていた 大阪のおばあ様
頭も体もしっかりしていて 92才です
大坂城の落城からの大転換期 家を守りぬいてきた おばあには 甘さはないのです
しっかりしていそうでも 4文で買える伊勢海老を4匁8分で買おうとしていた おばあの息子には まだ甘さがある
もしか「嫌われ者」になるとしても おばあはそれを教えようとしていたのでしょう
「知識」と「知恵」と「見抜く力を持て」と
「伊勢神宮だって 骨を折ってご祈念しているのは 自分の生活のためだよ」と
もちろん このおばあは 西鶴の想像上の人物でしょう でも そこに大坂商人の生きざまを感じるのです
そして そののち「先物取引」は 世界で初めて大坂で行われるようになりました
「先物取引」の世界とは 「考えるな 感じるんだ」の真逆の世界なのです