「朝が怖い
君を溶かす光が」
捲れば乾いた音のでそうな文庫本の忘れられた一頁のような事を真顔で話す
君がなにより怖い
わたしはご都合主義なので
だれのご都合も大体わたしには都合が悪い
人妻を愛した君は思い出をまだ少しずつ紡いでいる
安本さんは亡くなった彼を忘れたいと言うし
加藤さんは早く離婚したいこれの一点張り
わたしは昔の恋人を思い出して少し悲しい気持ちになった
好きな人がずっと側に居ればなにもいらないと思っていた頃もあったし
今も少しそう思っているけど10億円も欲しいしチョコレートも煙草もハンドクリームもないと困ると思う
自分の闇に酔っている人でもそれを知っている人は震えたりしない
知らずに酔っている人は会いたくて会いたくて震えちゃうシステムの人だと思うと思うよ
即ち
朝、起きるくらいならどうか神様殺してくれ。と思うのが冬だよ