東日本大震災から「13 年」今思う事

東京に住んでいる私が福島へ通うようになったのは、出身地でもなく親戚が住んでいるわけでもない。
13年前の震災が私と福島を結び付けました。
あの日私は茨城県の土浦市で20名のオカリナグループのレッスンでした。レッスンが始まって一時間が過ぎた頃あの地震が起きました。「2時46分」
レッスン中でしたが1回目の揺れが収まったの見計らって全員外に出ました。
すでに、公民館の職員の方々や他の講座の講師や受講生の方々も集まって皆様口々に不安の声を上げていました。
その後も余震が続きましたが、少し収まった時に教室に戻りオカリナや譜面などの荷物を取りにに行き、家に帰れる人から1人ひとり確認して車や徒歩で帰宅していきました。すでに地震から2時間以上過ぎていました。皆様が帰ったのを確認して、私も帰らねばと思った時 その日に限って東京から車ではなく、電車できていました。夜に私の後援会の会長と会食を予定していたのです。
すぐに携帯電話で後援会会長に連絡を入れましたが、多分回線がパンクしていたため繋がりませんでしたが、何回目かで奇跡的に繋がり、車で迎えに来ていただきました。すでに常磐線は不通になっていたため、後援会会長の直井さんの家に泊めて頂きました。しかし、土浦市から直井さんの自宅のある石岡に行くのも大変で、途中土浦の街中も塀が倒れたり、火事があったりとなかなか着きませんでした。
この頃になると少しずつ情報が入ってきて、東北が震源地だとわかり茨城でも大変でしたが、東北はどうなっているのだろと心配になりました。
当日は直井会長の家に泊めて頂きました石岡は停電でテレビを見ることが出来ずラジオで情報を集めていましたが被害の甚大な大きさに恐ろしくなりました。
翌日電車では帰れず、直井会長の車をお借りして、東京に向かいましたが、高速は使えず、一般道でも普段は2時間あれば自宅のある港区に着くはずが、7時間以上かかりました。

自宅に戻るとすぐ情報が欲しくてテレビを見ました。津波映像が目に飛び込んできて、唖然としました。
車で戻って来る途中東京に入ってからはあまり普段と変わらないので少し安心していましたが、帰って東北の映像を見た時はこれは、同じ日本かと目を疑いました。その日から1週間殆ど家から出る事なく、ずっとテレビと携帯電話から流れてくる悲惨な状況を見続けました。
震災後1カ月はコンサートやイベント、レッスン全ての仕事がキャンセルになりました。家にある食料が無くなりはじめたのて、近くのスーパーやコンビニに買い物に行きましたが、カップ麺は勿論、パンや惣菜もほとんどありませんでした。
東京でこれなら、東北はもっと大変な思いをされていると思うと心が痛みました。
私はプロのオカリナ奏者なので仕事はオカリナを奏してコンサートやレッスンを行う事ですが、震災直後はなかなか演奏する気が起こらず、何をすれば良いのかわからず悶々ととしていました。
そして一年後、ある方から震災復興祈念の音楽祭を「ふくしま」で開催するので出演しませんか?と連絡があり、これだ!という思いで快諾しました。
第1回目の音楽祭で初めて福島県を訪れました。私の演奏会場は猪苗代町にある野口英世記念館でした。クラッシックの音楽祭にオカリナ奏者として出演するのは初めてでとても緊張しましたが、とてもやり甲斐のある音楽祭でした。この音楽祭猪苗代町の開催会場のすぐそばにそばに住んでおられるSさんがコンサートの後、私に「善久さん、南相馬に震災後仮設住宅があり、被災された方々が住んでいらっしゃるので、オカリナボランティアコンサートしませんか?」と声をかけて下さり、1回目の音楽祭のすぐ後から南相馬市の仮設住宅のでコンサートをしました。1回目は勝手がわからず心配でしたが、仮設の自治会の方々は自分達の事で大変な中急遽仮設住宅の広場でトラックの荷台にステージを作り演奏しました。アンコールはトラックの上では申し訳ないので、降りて皆様のそばでオカリナを吹きました。コンサートが終わる頃には笑顔の方がふえて泣いて喜んで頂きました。
演奏後皆様の震災後のお話を聞かせていただきました。震災後1年という事もありまだまだ色々な事が整理つかず、悔しくて、悔やんで、泣いて泣いてお話を伺いました。そんな中でも、
こうしてオカリナを演奏に来てくれて「ありがとう」と言って下さり申し訳ない気持ちになりました、でも「また来てね」とすぐに言って下さり仮設住宅で演奏を続ける決意を新たにしました。
あれから12年毎年恒例行事となった
東日本大震災復興祈念のふくしま国際音楽祭と仮設住宅コンサートを続けており、福島の方々と少しは仲良くなれたと思います。
オカリナの演奏で何が役に立つのか未だにわかりませんが、これからもオカリナを持って福島に通い続けます。
ここ数年コロナの影響で、
だんだん福島に行く機会が減って来ました。
13年たってこの思いを
持ち続けて行けたらと考えます。
この13年で、福島にオカリナ教室が二つ出来ました。今年の7月14日に郡山の開成山大神宮をお借りして善久Zenkyu 門下生交流会を開催します。
7月に福島の皆様にお会いできる日を楽しみにしております。

















オカリナ奏者 善久Zenkyu