(暫定版) 2011年4月

全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会

(小川・田部井 記)



今回の東日本大震災では、被災地の、特に障がいのある人にとっては、避難場所などでの生活や様々な困難があると思います。一方、被災地でなくても、停電や、水や野菜などの食べ物、生活用品の不足など、これまでの日常生活とは大きく違う生活をしなくてはならなくなっています。これらの事も、障がいのある人にとっては、大きな困難です。そのために、パニックなどを起こす場合もあります。それは、“きょうだい”にとっても辛いことです。

そこで、このような場合の対応のしかたについて、簡単に書きます。人によって対応は違いますが、一般的な考え方ですので、参考にしてください。



(気になる行動の原因とそれに対する対応の考え方)

○障がいのある人の中には、いつもストレスを感じてギリギリのところで我慢している人もいます。そんな人は、普段でもちょっとしたことで周りが心配するような行動を起こすことがあります。

 ⇒その対策の基本は、ストレスを少しでも少なくすることです。

例えば、次のようです。①信頼できる人がそばにいる。②環境が少しでも良くなるように工夫する。③コミュニケーションが少しでもとれるように工夫する。④好きなことをして気を落ち着かせる。

これらは、その人の特性に合わせた方法で行うことが大切です。

○まして、避難所など日常とは違った環境の中で、他の人たちも不安なのですから、そのストレスはとても大きいと思われます。

⇒避難所などでは、小さな場所(教室など)を使わせてくれることもありますので、頼んでみてもよいと思います。その方が、こちらも一般の方たちも、お互いに安心できます。避難所の「かど」を使わせてもらえるだけでもよいでしょう。


(具体的な原因と対応方法の例)

*これらは(例:参考)です。その時の、その人や家族(きょうだいも含め)の状況によって違います。



1、予想しないことがおきて、これからどうなってしまうか心配

○予定が急に変わるのは心配 

⇒・信頼できる人がそばにいる。・具体的に説明する。

○予定が分からないのは心配

 ⇒具体的に説明する。

*言葉だけでなく、紙などに書いて説明する方が良い。字が読める人は文字で、分からない人は「絵」などで。

*時間は時計の絵(針の表示)か、デジタル表示かその人が分かりやすい方法で

*人によっては、早く話しすぎると、ずっと気になってしまうこともあります。その場合は、その時が来たら、信頼できる人が話し、気持ちが落ち着くまでそばにいるのがよいでしょう。

2、自分が辛いと思うようなことがおきている

○暗い場所が怖い ⇒・信頼できる人がそばにいる。

 ・懐中電灯などを用意する。

○うるさい場所は辛い ⇒・できるだけ静かな場所に移る 

 ・ヘッドホンをつけて、周りの音が聞こえにくくする。好きな音楽があれば、それを聞くとよい。

○自分の居場所が分からないので不安 ⇒・信頼できる人がそばにいる。・自分たちの居場所を明確にする=何かで自分たちがいるべき場所を囲うまたは、線を描く。(低くてもよいので、持ってきたカバンなどを周囲において、それをひもやテープで結ぶ。段ボールがればもっと良い。ビニールテープを床に張ってもよい。その人用の折り畳みイスもよい。

○知らない人と一緒にいるのは不安 ⇒・信頼できる人がそばにいる。・短時間でも家族だけでいられる場所に移る。 ・好きなことをする。


○お母さんなどがかまってくれない ⇒・お母さんでなくても、信頼できる人がそばにいる。 ・好きなことをする。

○自分が好きなことができない ⇒・別なことをさがす。

○自分の悪口を言われていると勘違いする。 ⇒聞こえるところで、人の悪口や批判、グチを言わない。

○他の人が「けんか」をしていると勘違いする。 ⇒近くで大きな声で話さないようにする。または、その場から離れるか、声を小さくするようにお願いする。



3、何を言われているのか理解できない

○難しくてわからない。 ⇒・分かりやすい言葉で説明する。

 ・字や絵に描いて説明する。信頼できる人がそばにいる。

*聞いたことは理解しにくいが、書いたものは理解しやすい場合がある。

*それが分からなくても、そのようにしてくれる人が自分のそばにいることで安心できる場合もある。



4、自分の言いたいことが分かってもらえない

○うまく話せない ⇒・ゆっくり聞いて、相手に伝える。

○言葉が話せない ⇒・身近な人が表情などからくみ取って、相手に伝える。 ・絵カードなどがあれば、それで選択してもらう。



全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会

(略称 きょうだいの会)

(136-0073) 東京都江東区北砂1-15-8 地域交流支援センター内

電話 03-5634-8790 FAX 03-3644-6808 

メール kyodainokai@yahoo.co.jp

ホームページアドレス  http://www.normanet.ne.jp/~kyodai/



きょうだいの会には、正確な情報と様々なノウハウがあり、仲間と悩みを分ち合い、課題に向う勇気を共有する事が出来ます。





(非常時のために準備しておくとよいこと)

①個人カード:

○基本的なこと:氏名、生年月日、血液型、飲んでいる薬、配慮してほしいこと、緊急連絡先(家族や会社や施設などの住所、電話番号(固定と携帯)、携帯メールアドレス)

○詳しいこと:福祉事務所の担当ケースワーカー、好きな食べ物と嫌いな食べ物、好きなことと嫌いなこと など

②その人に応じた、コミュニケーションンのための道具

 (例)・絵カード ・紙と鉛筆 ・携帯用ホワイトボードなど

*絵カード:ご本人が、自分のしたいことを伝えたり、選択するため。また、家族や支援者が、ご本人に情報を伝えるため。その人用のものを、支援者と相談して作っておく。

③好きなことの道具

 (例)・携帯用の、ゲーム機や音楽プレーヤー

・絵を描く道具(紙、携帯用ホワイトボード、クレヨン、マーカー )

④環境を整える道具

 (例)・自分たちの居場所を明確にするための、ひもかビニールテープ。できれば段ボールやシートなど。折り畳みイス。

・ヘッドホン(周りの音が少しでも聞こえないため)



*普段から、困った時に個人カードを近くの人に見せる練習をしておくとよいが、誰にでも見せてしまうような場合は危険。

*その他、次のような一般的な備えも必要である。

 ・ヘルメットまたは防災ズキン、帽子 ・軍手 ・マスク ・懐中電灯

 ・携帯ラジオ ・非常食(水、食料) ・携帯電話の充電器(電池式など)



*参考になるホームページ:自閉症・発達障害の人への非常時の支援と工夫。

 おめめどう  http://omemedo.tanba-sasayama.com