今日は嫌なグループさんたちとのラウンドです。

 

嫁さんは、もう行かない方がいいんじゃない、と言いましたが、

 

わたしには、ちょっとした考えがあって参加を決めました。

 

こんな風に書くと、そのグループって、

 

どんな悪党の集団なの?

 

と思われてしまいそうですが、

 

これが、ゴルフという側面から見ると、

 

至極まっとうなグループなんです。

 

 

メンバーのほとんどがシングルさんです。

 

そうなんです。

 

ゴルフ好きならば、こんなメンバーとラウンドできるなら、

 

レッスン料に2万や3万は払って、

 

ぜひに、というメンバーなのです。

 

 

こんなメンバーからお誘いがあるのは、

 

そのメンバーの中に、

 

わたしの古くからの友人がいるからです。

 

その友人のおかげで、人数合わせが必要なときに、

 

お声をかけてもらっているのです。

 

 

この方たちは、ほぼ毎日ラウンドされていますから、上級者同士のひりひりした戦いは別のラウンドでできるのです。

 

公式戦にも出場されてますから、県代表になって、

 

中国大会に出場とかされてるんです。

 

 

今回は、ホームコースのグルメコンペ。

 

そんなメンバーさんたちからすればお遊びです。

 

しかし、常に優勝を目指していらっしゃいますし、

 

事実、何度も上位独占となります。

 

 

ああ、話が長くなりました。

 

最近、嫁さんから、話が長いとよく𠮟られます。

 

 

 

では、次。

 

どうしても外せない前置きをもうひとつだけ。

 

わたしはわたしだと、我を通すことにこだわって生きて来ました。

 

仕事では、そんなわたしのとんがったところを気に入って、経営陣や役員さんたちからずいぶんかわいがってもらいました。

 

若手からも、理想の上司なんて思われて、優秀な子が集まってくれました。

 

ちょっと前にテレビの金曜ドラマで、阿部サダヲがやっていた役のような人でした。

 

ただ同期と、直属の上司からは、とことん嫌われましたし、

 

嫌がらせの嵐の中の航海でした。

 

わたしの仕事を簡単に言うと、

 

情報収集、データ化、分析 対策策定

 

そんな感じのものです。

 

今は、最前線から退きましたが、相談役として雇い続けてもらっています。

 

会社には、まず行きません。

 

支店長会議なんかで、

 

かつて私の下でがんばっくれていた

 

みんなが会いたがってます、

 

なんて申し入れをされたりすると、

 

何回かに1回程度、

 

顔見せに、30分くらい出社する程度です。

 

普段は麻雀して、競馬の分析ばかりやってます。

 

ただ、最近、歳をとったなぁ、と思うことが

 

つくづく多くなりました。

 

昔ならば、外すはずのない項目を失念したりして、

 

30分後くらいに、ああ、

 

なんて、気づくことが多くなりました。

 

この30分の誤差は致命的です。

 

またまた、話が長くなりました。

 

ようするに、昔はとんがっていても、自他ともに認める能力によって、

 

評価を維持できていました。

 

 

しかし、今は違います。

 

能力はガタ落ち。

 

それで我を通そうなんて、あきれた所業です。

 

 

やっとゴルフのラウンドの話が始められます。

 

シングルさんの中に、

 

きょうが初ラウンドですか?

 

と聞かれても、おかしくないわたしが混じってます。

 

迷惑をかけているなぁ、と常に感じるラウンドです。

 

それでいてわたしはわたしという態度を取る部分は残ってます。

 

 

たとえば、高い山の上に打ち込んだり、

 

深い谷底に打ち込んだりした場合、

 

わたしならば、そんなものいいですから、

 

前に行きましょう、とすぐ言います。

 

わたしにとっては、それだけのことです。

 

しかし、シングルさんたちにとっては違います。

 

ロストボールなのか、OBなのか、

 

とても重要なことです。

 

今までのわたしは山であれば、

 

すそ野まで行って、もう少し右の方じゃないですか

 

なんて、空気を読まない発言をするだけだったのです。

 

 

きょうのラウンドでも、1度山に打ち込むということが起こりました。

 

わたしは頑張って、せっせと山を登り、

 

みんなと一緒になって、真剣にボールを探しました。

 

その姿に、残りの3人が、一瞬だけわたしの方を見て

 

それからそ知らぬふりで、ボールを探されました。

 

規定時刻になると、ロストボールかOBかの判定をして

 

次に進みます。

 

 

また、みなさん基本歩きです。

 

わたしはカートに乗ることが多いです。

 

昔は、歩きだからいいよ、と言われれば

 

はい、と答えて、

 

さっさと自分のボールのところに移動していました。

 

ミスショットばかりで、プレー速度も遅いので、

 

できるだけ早くスタンバイして、迷惑をかけたくない

 

そういう気持ちからでした。

 

 

しかし、きょうは、みなさんが歩かれているのを見ながら

 

カートを進めました。

 

ちょっと疲れてらっしゃるかなぁ、

 

なんて見えたときは、近くに停めて

 

乗られますか、と声をかけました。

 

シングルさんたちにとっては、

 

その歩きも、ゴルフ。

 

それを今回は、わたしの基準に下りて

 

声かけをしたのです。

 

当然のことですが、カートに乗られる人なんていません。

 

けれども、手を振って追い払われることもなく

 

ああ、もうそこだから歩くよ、

 

と答えてくださいました。

 

少し雰囲気がなごんだような気がしました。

 

 

 

そうです。

 

きょうのテーマは、『嘘をつかない』としたのです。

 

どうしても曲げられないと思うこと以外、できるだけ皆さんに、

 

わたしの下手なプレーで迷惑をかけている分、

 

わたしの気持ちを、嘘をつかず、伝えようと。

 

我を通すことなく、

 

わたしが同じ立場であったら、

 

して欲しいことをしました。

 

 

スコアは

 

OUT 63 IN57 TOTAL 120 でした。

 

1パット 1回 2パット 1回 いずれもパー。

 

後は3パットと4パットです。

 

比率にすれば、1対2と言う感じでした。

 

 

わたしの我を通し、嘘をつき、

 

わたしが持っているノウハウに頼れば、

 

105程度にはまとめることができたかもしれません。

 

今までのわたしはそうしてました。

 

しかし、きょうは嘘をつかず、

 

今、アプローチを練習しています

 

いつもはパターに頼りますが、

 

こんな風な球を打ちたいので、

 

試します

 

と申告して、プレーしました。

 

ざっくりや、チョロ

 

プレー時間は遅くなります。

 

しかし、昔のようにパターで転がして

 

みなさんの待ち時間を作らないようにとは

 

しませんでした。

 

当然ミスをします。

 

次は、今度はこういうところを注意して打ちます

 

と申告して、試します。

 

ざっくりや、ホームラン

 

またまた皆さんの時間を奪ってしまいます。

 

しかし、何度目かに、

 

そう打ちたいならば、球の位置が違うよ

 

とお声がかかりました。

 

その教えに従って試します。

 

ミスショットですが、許容範囲に入りました。

 

あっ、ナイスミスと

 

わたしは叫びました。

 

本当にうれしかったからです。

 

それからは雰囲気がどんどん変わりました。

 

そんなプレーを繰り返していると

 

アドレスした瞬間に

 

銭屋さん、もっと短く持って、

 

と前のアドバイスを忘れていたわたしに、

 

声がかかるようになりました。

 

無理くり作っていた 105のスコアーの何十倍もうれしい120でした。

 

1回の2パットは、

 

パットまで、下り、逆目のスライス、触るだけ

 

なんとか半径50cmの枠に入って、

 

なんて言いながらやってたら、

 

銭屋さん、50cmの枠に入れたければ、

 

とライン読みの方法を教えてくださり、

 

そのような場合は、

 

下りは考えず、

 

まっすぐどこまで打ったら、

 

後は転がって曲がるかを考えるんだよ

 

と言って、この少しグリーンの色が変わっている

 

ところまで打って

 

とアドバイスしてくださいました。

 

コンペは前半で終了してますから、

 

後半はプライベートラウンドとなります。

 

アドバイスしても違反にはなりません。

 

言われる通りに打つと、

 

70cmくらいのところにとまり

 

今は、何が悪かったのかをさりげなく教えてくださいました。

 

70cmは全集中で自力で沈めました。

 

 

 

18番ホールはきょうのラウンドの集大成にします

 

と前半から申告していました。

 

長いロングの打ち上げ、

 

グリーンまで170ヤード地点でほぼ直角に右ドッグレッグ

 

わたしの技術ではとても難しいホールです。

 

 

このホールでボギーを取ります

 

とわたしは宣告しました。

 

そこはパーでしょの声がかかります

 

わたし、このホールでパーは1度しかとったことがありません

 

だがら、ボギー狙いです。

 

 

当然ミスショット

 

7番アイアンで安全に前進します

 

とわたし

 

銭屋さん、ボギー狙いなら、

 

ここは距離が必要だから、

 

スプーンとかで、軽く前に

 

 

 

ミスショット 

 

しかし、グリーンが見えるところまでは達しました

 

残り180ヤード、なんとか届くかもしれない距離です。

 

少し考えて、

 

7番アイアンで、ハーフショットで安全に

 

とわたし

 

手前のバンカーに入れるのが一番だめだよ

 

との声が、

 

あっ、9番アイアンに変えます

 

 

 

ミスショット なんとかバンカーの手前で止まります

 

後はアプローチのみ

 

みなさん黙って見てらっしゃいます

 

今日一日教えてもらったことをフル動員して考えます

 

58度 短く持って しっかり

 

と決めました。

 

ここは、声にはしません。

 

きょう身に着けたルーティーンを守ってセットすると、

 

クラブに仕事はさせる

 

リズムだけ守って

 

躊躇せず、足を使って振る

 

そう心で唱えて

 

 

7mにつきました。

 

 

ナイスショットの声

 

わたしの1度きりのパーは

 

同じシチュエーションからピンの根元にべた付きしたものです

 

さすがに7mは

 

でもラインを読み、注意することを口にして構えると

 

ちょっと、見てあげよう

 

との声が

 

ラインを読んでくださり

 

狙う位置を教えてくださいました。

 

そのスパットだけ見て、まっすぐに

 

なんとラインに乗って、見事パー

 

 

 

わし、キャディーになろうかな

 

お金払ってね

 

と祝福されました。

 

 

長くなりました。

 

書きたいことはまだありますが

 

そろそろ締めます。

 

 

家に帰りつき、洗濯物を取り込んでいると

 

嫁さんが仕事から帰ってきました。

 

玄関から、わたしの姿をみつけると

 

「洗濯物、ありがとう。きょうのゴルフでは、いじめられなかった?」

 

 

ああ、わたし、やっぱり嫁さん好きだわ。