小木曽汐莉は追いかけたいた向田茉夏を見失ってしまう。
現在学校の3階にいた。

「はぁ~……
なんか不気味ね……」
もう外は暗くなっており明かりのない学校は闇に染まっていた。

「茉夏はどこかしら…
それより先にゆりあと合流すべきかな…」
その時何かを見てしまった。

「何さっきの白い人影……」

その先は3階でまだ探していない所だった。

「どうしよう……
やっぱり見に行かなくちゃダメだよね……」

忍び足で先に向かう小木曽汐莉。
たどり着いた先は理科室だった。

「うぅっ……
怖いよぉ~……」

小木曽汐莉は音を立てないように扉を開ける。

そこには顔や体がボロボロな人のような「モノ」がいた。

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

小木曽汐莉は急いで逃げ出した。

「何よあれ!!!!
無理無理無理無理無理無理!!!!!!」









一方木崎ゆりあは4階にいた。

「みいちゃんは達は学校から出たみたいね。
そして反応があるのは4階に1人、3階に1人。
3階の人は何かから逃げるような動きしてるから多分茉夏ね。
先におぎちゃんと合流しようっと」

木崎ゆりあは4階にいる人物へ向かう。

「ここは音楽室……」

木崎ゆりあはそう呟きながら入った。

「ゆりあッ!!」

そこにいたのは小木曽汐莉ではなく向田茉夏だった。

「茉夏さん!?
おぎちゃんじゃなかった……
まぁいいや、私1人でも十分!!
行けッ!!〈狼とプライド〉」

木崎ゆりあの狼型のスタンドが向田茉夏に襲いかかる。

「〈フィンランド・ミラクル〉」

「あれ……?」

攻撃が当たったと思いきや向田茉夏は避けていた。

「(茉夏さんの能力は何なんだ?
いつも気付けば避けてたり、逃げてたりしている)」

木崎ゆりあはもう1度攻撃を仕掛けた。
しかしまたしても攻撃が当たる瞬間に避けられる。

「(これは私1人じゃ無理だ……
みいちゃんかおぎちゃんとやるしかない。
今学校にいるのは……2人?
2階に1人、1階に1人か……)」

「ねぇゆりあ、どうして私をピンポイントで追いかけられるの?」

「教えるわけないじゃないですか」

「そう……」

「ハッ!!」

次の瞬間木崎ゆりあはいつの間にか音楽室の外にいた。
加藤るみが先に動いた。
スタンドを纏わせ無理やり体を動かし、攻撃のクオリティを保つ。
だがその代償として動かす度に激痛が走る。

そんな加藤るみに対し桑原みずきはスタンドで対応する。

「もう限界なんじゃないんですか?」

「るみも無理に平気な顔をして!!」

お互い思わずニヤケてしまう。
これは心を削りあう闘い。
心が折れたほうが負けてしまうのを2人はわかっていた。

そんな2人だが体力的には桑原みずきの方が実は不利だった。
今は傷口を炎で焼いて止血しているがそれでも出血した量は多い。
加藤るみは左肩に穴が空いたものの、桑原みずきの攻撃は高熱だったため、穴が空くと同時に空いた部分を焼いたため出血はそこまでしてなかった。
また桑原みずきの能力は体力を消耗しやすく、体力の限界がもうすぐそこまできていた。

「ガッ………」

そんな桑原みずきが尻餅をつく。

「オラァッ!!」

加藤るみがとどめを刺すと言わんばかりの攻撃を仕掛ける。

「うっ……」

桑原みずきはそれを思わず右腕でガードする。

「(い、いかん……痛くて右腕が……)」

顔には出さないが桑原みずきは激痛により右腕が上がらなくなってきた。

「もういっちょ!!」

加藤るみは続けて攻撃を仕掛ける。

ドンッ!!

「うっ……









どうして左腕が?」

加藤るみの腹を桑原みずきの光り輝く左腕が貫いていた。
加藤るみを支えていたスタンド達が剥がれだし加藤るみは倒れる。

「幻肢ってしっちゅう?
事故とかで四肢を失ったのにまだあると感じることながやけど。
うちはその幻肢の感覚に襲われたがやけど、ふとこれは応用できるがやないと思ってね。
その今ある腕の感覚に炎を纏わせてみたらこうなったわけよ」
「みずきさん……」

「もうしゃべらんでえい。
言っとくけど私はあんたのことを誰よりも認めちゅう。
あんたの「思い」も背負ってこれからも戦っていくき!!
だから先に帰って待ちよって」

そう言うと加藤るみは微笑む。
そしてそのまま消えてしまった。

「これが姉さんが言いよった「覚悟」ってやつなのかな?
それを知るのに払った授業料高すぎやろ。
ちょっと休んでからゆりあと小木曽と合流するか」

そんなことを呟きながら桑原みずきは座りこんだ。
桑原みずきのスタンドは基本的には炎を「出す」ことしかできず、炎そのものになれるわけではない。
ただスタンド能力によって桑原みずきには炎に対する耐性を持っている。
そのおかげで炎を纏わせたりすることが出来るのだ。

「絶対に負けん……」

ブワッ!!

「くっ……
何をするつもりなんですか?」

桑原みずきは突如自分を中心に炎の渦を作り出した。

「(今はどっちかと言うと私の方が有利だけど、あの人キレてたからな……
油断せず次の一撃で決めるようにしないと……)」

攻撃を止め身構える加藤るみ。
するといきなり炎の渦が消えた。

「今だっ!!」

加藤るみは再度大きく振りかぶった。

「(腕が燃えている?)」

そう、姿を現した桑原みずきの左腕が真っ赤に燃えていたのだ。
桑原みずきも加藤るみと合わせて攻撃を仕掛けた。

ザシュッ!!

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

攻撃が届いたのは桑原みずきだった。
さらに驚くことに加藤るみは左肩に大きく穴が空いていた。
あまりの激痛にその場でのた打つ加藤るみ。

「ハァァハァァ……
どうやらこの攻撃はあんたのスタンドも貫通できるみたいやね……」

「みずきさんその腕は……」

「見た通り、攻撃力を増すために腕を限界以上に燃やしちゅう」
「そんなことしたら腕が…」

「そうやろうね、もう左腕は使い物にならん。
でもここでるみに負けるよりはマシ。
さぁ腕ももう限界やき、終わらすで」

「〈ピノキオ軍〉!!」

加藤るみはスタンドを集合させ一つの人型のようなスタンドを作り出す。

「今さらそんなことしたって無駄やき」

桑原みずきは左腕で加藤るみのスタンドをなぎ払う。
もちろん加藤るみのスタンドは崩れてしまった。

「これで終わ………うん?」

なぎ払った左腕を見てみると加藤るみのスタンドが左腕の付け根部分にひっついていた。

「今だッ!!〈ピノキオ軍〉鼻を伸ばせ!!」

スタンドの鼻が伸び付け根部分に食い込む。
そしてそのまま腕を切断した。

「ッ~~~!!!!
やったなぁ!!!!!!」

「それはお互い様でしょ」

互いがそれぞれ睨み合う。
勝者はどちらになるのか誰も分からない。