夜が更けて、喪が明ける | アーバンギャルド・オフィシャルブログ URBANGARDE OFFICIAL BLOG Powered by Ameba

夜が更けて、喪が明ける


アーバンギャルド松永天馬オフィシャルブログ「松永天馬の記憶の記憶」Powered by Ameba



病気の皆さんこんばんは。空気がきんと冷えた土曜日の朝、いかがお過ごしでしょうか。
夜が明けない時代です。夜更けは目下続いており、挨拶は「こんばんは」に統一させることで、なんとか正気を保とうとしているそんな時代。夜更けだろうが夕刻だろうが「おはようございます」を繰り返すテレビマンに対するアイロニーと羨望を込めて、挨拶は朝も昼も「こんばんは」を繰り返す我々の職業はミュージシャンと言います(正直、まだ慣れていない言葉です)。


アメーバ・ブロガーの、そして病気プロパーの皆様。改めましてこんばんは。松永天馬です。

トラウマテクノポップバンド・アーバンギャルドのヴォーカルとコンセプター、作詞とおおかたの作曲を担当し、二十代の最終コースをひた走る、八十年代サブカルチャーが産み落とした非嫡出子、九十年代にはかのエヴァンゲリオンの主人公たちとともに十四歳を過ごし、かの酒鬼薔薇聖斗の世代呼ばわりされ、就職氷河期がもはや氷河期とも呼べなくなった頃(春は来なかったんですね)雑誌編集の世界、美術、文学の世界をうろつきまわった後、漂流した先で奏でた音楽が或る一部の人間から一方的な支持を受け、時の吟遊詩人とは言わずとも、中野方面によくいそうな人、ブロードウェイの三階にたむろする影、ぐらいの認知はされたかもしれません。いわゆる音楽活動を続け、自主制作、インディーズときて現在はメジャー二年目を迎えました。雑誌で駄文を書いたり、映像を撮ったりもしています。どうも僕です。本名です。イナズマイレブンの中の人ではありません。
親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしています。


ここにこれから書かれるものは記憶の記録です。記憶とはすべからく編集されるもので、思考の檻に叩き込まれた時点で物語の筋道を宿し、時には捏造や改竄をも辞さないものですが、それを記録であると言い切り、実際にペンを走らせることにより、物語ることを肯定的に受け止め、同時に物語ることを恐れないという態度がこちらの看板には記されています。物語が縮小生産される時代。かの小林よしのりが国家論からAKBへと舵を切ったのは或る意味象徴的で、大きな物語を国家に託して語るのはどんどんと困難な時代に直面しています。それは国家が抱いてきた科学神話が東電によるアクシデントでふいになったり、それを擁護するために今まで用いてきた尺度を何重にも塗り潰し(ただちに)危険ではない、というカッコつきの偽史を政府が吹聴する前から、既に始まっていました(今回の事故は物語の困難を改めて「顕在化」したに過ぎないともいえます)。そんな時代に我々が語るべきは団体による共同声明ではなく、個人の言葉であり、個人の物語ではないのか(従ってこの観点から、もちろん「反政府」的な大きな物語にも僕自身は与しません)。いかに独りで生きていくか。これを物語るのが目下、現代の処世術であると考えています。


かくして、夜が更けて、夜明けは来ずとも、喪が明けるのです。明るみに照らされた文字を誰が読むのか。あなたなら読んで下さい。これは僕以上に、あなたの物語でもあるからだ。




■大人の科学&CTO LAB.Presents『Tokyo Outbound vol.02』


2011年1月7日(土)

KOENJI HIGH http://koenji-high.com/
開場:17:30 開演:18:00
前売:\2,500. 当日:\3,000.(ドリンク代別途)


★Live
CTO LAB.(岡田徹+イマイケンタロウ+Polymoog)
Open Reel Ensemble
車輪の再発明


★Guest Act(Mini Live)
アーバンギャルド
宇田道信(ウダー)
little moa
tenorierie (テノリエリ)
ヒトリミサキ


★協賛 学研「大人の科学」


学研「大人の科学」のイベントです。
ムーンライダーズのキーボーディスト・岡田徹氏主宰の「CTO LAB.」共催イベント!
ミニライヴ出演。シーケンスメインで、普段とはちょっと違うことをします。


★予約はお名前・枚数を明記の上「0107予約」と題し info@urbangarde.net まで。