シンポジウム:ミキサー食の有用性と問題点 | ゼン先生の臨床栄養学講座

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今回、シンポジウムとしてもいろいろ考えたのですが、株式会社JMSから、学会としての企画を決める前から、ミキサー食に関するシンポジウム(スポンサードシンポジウム)をやりたいと相談を受けていました。私自身、ミキサー食は今後普及するべき、古くて新しい栄養管理法だと思っていましたので、逆に、JMS社の担当の佐藤氏にお願いしたような次第です。座長には、静岡県立こども病院の小児外科部長だった長谷川史郎先生にお願いしよう、ということも既に、決めていて、企画として決定する前に長谷川先生ご自身にお願いしておきました。

 演題数は7題で、長野県立こども病院小児外科の高見沢滋、静岡県立こども病院神経科の渡邉誠司、神奈川県立こども医療センタ-外科の北川徳彦、重症心身障害児施設つばさ静岡の浅野一恵、名護の県立こども病院看護部の渋谷洋子、鶴巻温泉病院診療技術部栄養科の切石友恵、ボワ・すみれ福祉会花の郷の関根まき子、(敬称略)です。いずれも、ミキサー食をパイオニアとして使ってこられた施設からの発表で、非常に心をこめて栄養管理の一つの方法としてミキサー食を用いておられることが、抄録を読ませていただいただけでわかります。家族と同様の食事が摂取できる、ということは非常に大きなメリットであり、市販されている半固形状流動食では得られないメリットがあります。デメリットとしては、やはり、手間がかかる、ということでしょうか。そのあたりの問題点についても、さまざまな工夫をしながらミキサー食を用いた栄養管理を実践しておられる施設からの発表です。全国的に広く実施されているとは言えないと思いますが、しかし、今後、医療経済のことを考えても、また、特に私も強調したいと思っているのは、家族と同様の食事が摂取できる、という、心の問題も考えても、もっともっと広く普及するべき領域のはずです。細かいノウハウについても発表していただけるはずですし、また、1題1題に十分と思われる質疑応答の時間を設けておりますので、興味のある方に集まっていただき、活発な議論をしていただきたいと思います。すべての料理を一緒にミキサ-化したりするのではなく、一つ一つの料理を別々にミキサー化して注入するとか、とろみをつけるとか、そういう工夫もしておられますので、参加していただけば非常にいい情報が得られるセッションだと思います。

  『ガイドラインとエビデンスに基づいた臨床経験の共有』がJSPEN2015の学術集会のテーマですが、このミキサー食を用いた栄養管理に関する臨床経験が、きちんと発表されるセッションで、それを共有することにより、今後、多くの施設でミキサー食が使われるようになるのではないかと考えています。大勢の方に参加していただくよう、お願いします。 

 とにかく、企業として、このJSPEN2015という、大勢の参加者が期待される学会で、ミキサー食という、古くて新しい領域を普及させようと、最初から考えていただいていたということで、学術集会会長としては、非常にうれしい申し出であり、感謝しています。その会長としての感謝を表現するためにも、大勢の方にこのセッションに参加していただき、このセッションで得られた知識や共有した経験を、実践に生かせるようにしていただきたいと願っています。