好きだから
側においておけねーんだよ…。
狭い船室、夜の闇。
穏やかな波に揺られて眠気を誘うはずなのに
今の俺は眠気どころか目を閉じる事もできねぇ…。
「…変なこと言ってごめんなさい…」
暗闇で、涙を流す○○の言葉に返事はでない。
好きだと打ち明けられたその気持ちに応えてやる事もできない…。
理由は一つしかねぇ。
俺もお前が好きだからだ…。
だが、それ以上にお前が大切なんだよ、俺は。
海賊である以上危険が付きまとう。
それに俺は賞金首…。
お前まで巻き込んじまうのは目に見てるじゃねーか…だから。
「さっさと寝ろ」
冷たく言い放ち背を向ける。
「…はい…」
消え入りそうなその声に、俺の心が小さく軋んだ…。
お前の小さな心を傷つけちまった…。
薄い硝子のように透き通った綺麗な心…。
粉々に砕け散って…破片すら踏みつけたようなもんだな…。
--硝子
綺麗に光を通し同じ色に染まっていって…。
その実、それはとても
儚いプリズム…。
fin
