アシュターヴァクラ・ギーター ~18.師(1)~ | ぽっぽのブログ

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綴ることなく綴りゆき、やがて想う果て、彼方へ消えゆく定めの声か



あなたの真我を愛しなさい


その本性は幸福


平和、そして輝き!


本来の自己に目覚めなさい


そうすればすべての無明は夢のように消え去る





世俗のものごとをたくわえることで


いったいどれほどの喜びを得るというのか?


幸福を見いだしたいならすべてをあきらめなさい





義務感という苦悩が


灼熱の太陽のように


あなたのハートを焼き焦がした


静寂の雨を浴びてごらん


そのやさしく降りそそぐ静けさの中で


あなたは幸福を見いだすだろう





世界とは無だ


それはただの概念にすぎない


ただ存在と非存在の本質だけは


けっして消え去らない





真我はけっして変わらない


常に満たされ


完全無欠で、選択や努力を要しない


それは身近にあり


しかも限りない





真我が知られれば


妄想はすべて消え去る


ヴェールが剥がされ


あなたははっきりと見る


あなたの悲しみは晴らされたのだ





真我は自由だ


そして永遠に生きる


それ以外は


すべて想像にすぎない!


これを理解するゆえに


子供のように師はふるまう





あなたは神だ


存在するものと存在しないもの


どちらも想像にすぎない


それを知って


ついに欲望から自由になるとき


いったい言うべきことや


するべきことが残されているだろうか?





真我はすべてだ


探求者がそれを知るとき


彼は静かになる


彼はもはや


「私はこれだ。私はあれではない」


と考えることはない


そのような想いは消え去ったのだ



10

彼は静かだ


快楽も苦痛も


混乱も集中も


学習も無知もない



11

彼の本性は条件づけから自由だ


勝とうと負けようと


彼には何の違いもない


森林深くに独り在ろうと、世間に在ろうと


天上の神であろうと、ただの乞食であろうと


彼には何の違いもない!



12

彼は二元性に縛られない


富や快楽


義務や識別も


彼には意味のないこと


何を成し遂げようと


成し遂げまいと


気にしない



13

この生で自由を見いだした探求者は


義務も欲望もハートにとどめない


彼には何もすることがない


ただあるがままに生きるだけ



14

師は欲望という境界を超えて生きる


妄想、はたまた世界


真理への瞑想


解脱そのもの


それが彼にとって何だというのだろう?



15

あなたは世界を見る


だからそれを消し去ろうとする


だが、師にはそんな必要がない


欲望がないからだ


彼は見ているが


何も見ないのだ



16

神を見たとき


あなたは神に瞑想する


「私は神だ」と言いながら


だが、あなたに想念がないとき


二というものはなく


ただ一なるものだけが存在することを理解する


だとすれば、いったい誰が誰に瞑想できるというのか?



17

心が迷い混乱したとき


あなたは精神集中を修練する


だが、師がかき乱されることはない


彼には達成するべきことがない


いったい成就しなければならないような


何が残されているというのだろう?



18

彼は普通の人のようにふるまう


だが、内側ではまったく異なっている


彼は自己の内に


いかなる欠点も


いかなる混乱も


瞑想の必要性も見ない



19

彼は目覚め


満たされ


欲望から解き放たれている


彼は存在するわけでも存在しないわけでもない


彼はいつも動いているように見える


だが、彼は何もしていない



20

奮闘していようと、静かにしていようと


彼はけっして乱されない


何であれ起こるにまかせ


自由にふるまう


そして彼は幸せだ



21

彼には欲望がない


彼は鎖を解き放って


雲の上を歩く


風に舞う木の葉のように


生から生へと


自由に舞い踊る



22

彼は世界の彼方へと消え去った


喜びや悲しみを超えて


彼の心はいつもさわやか


あたかも身体がないように生きる



23

彼の心は清らか


真我の歓喜の中に在る


彼には放棄したいものがなく


欠けているものもない



24

彼の心は本来空


彼はあるがままに生きる


彼は普通の人ではない


賞賛や非難は、彼には何の意味もない



25

「これをするのは身体であって私ではない」


「私の本性は純粋だ」


この想いを胸に


何をしようと


彼は何もしていない



26

だが、彼は知らぬふりをする


彼はこの生で自由を見いだした


だが、彼は普通の人のようにふるまう


それでも、彼は愚かではない


幸せに輝き


世界を楽しむ



27

気まぐれな心に疲れ果て


ついに彼は落ち着いた


彼は知ることも考えることもなく


聞くことも見ることもない



28

彼は心乱されず


瞑想もしない


束縛されることもなく


自由も求めない


彼は世界を見るが


それが幻であることを知っている


彼は神のように生きる



29

たとえ静かにしていても


利己的な人の心はせわしい


たとえ忙しくしていても


無私無欲の人は静かだ



30

彼は自由だ


彼の心は困難や快楽に揺るがない


行為や欲望や疑いから解放され


彼は静かに輝く!



31

彼の心は


瞑想や行為のために努力しない


彼の心は


意図せず瞑想し行為する



32

愚か者が真理を耳にすると


混乱する


賢い人がそれを聞くと


内側に向かう


彼は愚か者のように見える


だが、彼は混乱しない



33

愚か者は


心の制御と集中を修練する


だが、師は眠る人のように


自己の内に安らぎ


それ以上何もすることはないと知っている



34

努力しようと静かにしていようと


愚か者が平和を見いだすことはない


だが、師は


ただ、ものごとをあるがままに知って


平和を見いだす



35

この世で


人はあらゆる道を探りつづける


だが、彼らは


愛すべき真我を見逃してしまう


目覚めていて、純粋で


完全で、満ちたりた


世界を超えた愛すべき真我を



36

愚か者は集中を修練しても


けっして自由を見いだせないだろう


だが、師がしくじることはけっしてない


ただ、ものごとをあるがままに知っているから


彼は自由でいて揺るぎない



37

愚か者は神になりたいと願うため


けっして神を見いだせない


師が神になりたいと願うことはない


彼はすでに神なのだ



38

愚か者は根拠なく


自由を求めていらだち


世界をきりきり舞いさせるだけ


だが、師はすべての苦しみの根を断ち切る



39

愚か者は平和を探そうとするため


それを見いだせずにいる


だが、師は常に平和だ


なぜなら


ものごとをあるがままに知っているから



40

世界に注意をはらっていたら


どうして自分自身を見ることができよう?


師はあれやこれによって心乱されない


彼は自分自身を見る


不変の真我を



41

愚か者は心を制御しようと必死だ


いったいどうしてそれが可能だろう?


賢く、自己を愛する人に


それは自然と起こるのだ



42

ある人は存在を信じ


またある人は「何も存在しない」と言う


そのどちらも信じない人は稀だ


彼は混乱することがない



43

愚か者は


真我が純粋で分割不可能だと


知っているかもしれない


だが、愚かさゆえ


けっしてそれを見いだせない


彼は一生悩みつづける



44

自由を求める人の心は


支えもなくつまずく


だが、すでに自由となった人の心は


自らの足で立ち


熱情に溺れることがない



45

感覚は虎だ


臆病な人は虎を見ると


一目散に近くの洞窟へと逃げだし


集中や瞑想を修練する



46

だが、無欲の人はライオンだ


出くわしたとたんに逃げだすのは


感覚のほう!


まるで象のように


こっそりと走り去る


逃げきれなかったときは


奴隷のように彼に仕えるのだ



47

疑いをもたず


真我とひとつになった人の心は


もはや自由を求めない


彼は


見、聞き


触れ、嗅ぎ、味わいながら


この世で幸せに暮らす



48

ただ真理を聞いただけで


彼の心は無限に開かれる


その気づきは純粋そのもの


彼は努力や静寂を気にかけない


彼は自分が無関心でいることにさえ


無関心だ



49

師は子供のようだ


良いことも悪いことも


何であれ、起こるにまかせてふるまう