夏のころ、坊っちゃんのクラスで折り紙とお手紙が大流行しました。交換も盛んにやっていたようで、坊っちゃんも何通かの手紙とビックリするくらい上手な手裏剣、リボンetc.を持ち帰ってきました。○○ちゃんに貰った、という坊っちゃんに良かったね、上手だねぇ!と返したら
うーん 「僕のは『イラナイ』ってー!」
あんぐり 「貰っただけ?」
しょんぼり 「うん…」
  子どもって本当に正直で。園の先生方はそんなことないと仰有るんですが、要らないものは、イラナイんですよ。坊っちゃんがこの時点で作れたのは、新幹線と何か…何かを作ろうとしたのは感じるんだけど、何物にも成れなかった、ガシャッと折り畳まれたやつ。グシャグシャでテープでとめたもの。そりゃ、欲しくはないよね悲しい
 そこからネットであれこれ検索して、夜は家族で折り紙教室する日々が続きました。発達性協調障害で、とにかく不器用な坊っちゃん。思った通りに動かない自分自身に苛立って、べそをかいたり放り出したり。それでも、大好きな魚、果物、新幹線、ハートと少しずつレパートリーは増えて行きました。保育園からも大量に持って帰ってくるので、A3サイズのお絵かき帳に母が背景を
描きまして。
なにせ魚が多いので、青と水色のクレヨンだけ、異常に消費が早い…
 そのうち交換会も流行が去ったようですが、坊っちゃんは今も魚を沢山持ち帰ってきます。

 出来ないことも沢山有るけど、出来ることもたぶんどっかに有るんだろう。1つでも見つかったときの嬉しさは、定型のお子さんの比では無いのかもしれません。
「上手にできたんだよー!チュー」と両手いっぱいに差し出して見せてくれる、そんな坊っちゃんの海です。