ディーゼル路線は電線が無くて、空が広い。
 子鉄坊っちゃんのお陰で、思いもかけない所へ鉄道旅しています。

 先だって、使っていたジャンピングボードが修復不可能レベルで壊れました。最初に買ったトランポリンが強すぎて、当時通っていた療育施設で導入していたのと同じやつを買い直したんです。クッションが効いてそこそこに跳ねられるし、ちょっとしたローテーブル(笑)としても活躍してくれました。足が順にもげたのを業務用接着剤で継いで使い続けてたけど、しかたない。粗大ごみに出したのでした。
 かあちゃん、うっかりしていて収集車が来る前に、その前を家族で通りかかっちゃったんです。そしたら坊っちゃんがじーっとボードを見つめて、「捨てちゃうの?」と。ええい仕方ない!
真顔「壊れちゃって危ないし、何度も直してきたけどもう無理でね。だから、お別れだよ。ゴミ収集車さんがお迎えに来るんだ。」
不満「…そうなのか」「帰ってくる?」
ちょっと不満「ううん、帰ってこない。」
不満「そうなのか。」
ほんわか手を振りながら「元気でねぇ~気を付けてね~!」
あんぐり「げ、元気でねぇ~」

 たぶん、数日前に紙がリサイクルされるという内容のアニメを偶然見てたので、覚えてたんでしょう。それは大好きな電車をホームで見送るときの『お見送り』、再会の予定もない相手へ、それでも先があると信じて旅路の安全を祈る時の、坊っちゃんの姿でした。

 リサイクルされるかわかんないけど、あのジャンピングボードはしっかり頑張ってくれた、ぼっちゃんの『僕にもできる』を支えてくれた、最後まで。どうかよき旅を。
親バカなかあちゃんもちょっとじーんとしながら手をふったのでした。