深く考えれば考えるほどに、その内容がその通りだと思えてしまう。


それは残念な事でもあるし、悔しくも哀しくもある。


反論したい。


しかし、自らがその通りだと認識してしまっている以上、反論しようも無い。


だからこそ、あえて認めなければならない。


短所を。


その上で彼の存在意義を示していくほかに彼を推す手段はないと考える。



ただ、この存在意義を示す前に、私が本来最も好きであり理想とするサッカーに関して書いていきたい。


それはリヨンのサッカーである。


システムは、バルサと同じ4-1-2-3。

守備的に構えるならば4-1-4-1にも、中盤の入替で4-2-3-1にも変化させ易いシステムだ。


リヨンはサイドアタッカーにゴブ、デルガドをCLで起用した。このポジションにはバストスやエデルソン、リサンドロを起用する事もできる。


ゴブやリサンドロがサイドに入った場合、逆サイドからの攻撃時にはファーから詰めていくFWとしてのプレーが求められる。バルサでいうアンリの役割ともかぶる。


そして、左利きのバストスが入るならば、右に入るならメッシの様にゴールに向うプレー、左に入るならサイドをえぐってからのクロスというウインガーとしての役割を求める事になる。


デルガドやエデルソンを左で使うならば、バストスを右で使う事と同じ意味となる。


誰が入るかによって、ある程度サッカーの方向性が明確となる訳だ。


そこにはドリブルで相手を抜いたとか、相手DFの裏を突くことに成功したとか、いろんなシーンが予想されるが、これこそが明確な攻撃の形としてチームの共通理解となるだろう。


仕事が明確だから、責任も明確になる。


この点を考えると、日本は玉突き事故の様に選手がずれてはそれに動かされて他の選手もずれて、結局役割が中途半端になりやすい。同じプレースタイルの選手ばかりを並べるなら、求める仕事も明確になるだろうが、タイプが違う選手を起用しながら、このやり方では本来求めている仕事をすべき場所にその選手がいないという事が度々起きる。


これが日本代表の攻撃における大きな問題点だと思える。


では、このリヨンというチームを日本にあてはめるとどうなるか。


同じレベルの選手が揃っている訳ではないが、出来る限り似た選手を用意した。

日本代表

理想布陣(4-1-2-3)

 

森本貴幸 

 

 

石川直宏

岡崎慎司

 

長谷部誠

本田圭佑

稲本潤一

   

長友佑都

徳永悠平

闘莉王  中澤佑二

 

 

 
 

楢崎正剛

 

このメンバーにおける考え方はまさにリヨンと同じであり、攻撃の中心は単独の選手に委ねられるものではない。


あくまでもサイドアタックが基本であり、もっと言えば左サイドの石川の突破力を活かしたいという考え方である。石川1人で難しい場面は長友の推進力も活かす。石川には彼を囮にしてカットインする事も求められる。また、石川の左サイドからのクロスには森本、岡崎が飛び込む事になるし、ゲームメイカー ピアニッチの代わりとなる本田にもその役割は求められる。


右に岡崎を置いた理由はサイドでもプレー出来るFWだからであり、また守備での献身をかってのこと。


単独での突破は余り求められないが徳永との縦の関係、本田からのパスで裏のスペースを使う事も出来るだろう。


インサイドハーフの本田は攻撃重視、長谷部は守備重視であり、本田はゴール前に入る意識をいつも通り発揮してもらい、長谷部には運動量で守備での貢献と攻撃での厚みを持たせたい。アンカーにはヨーロッパでの経験をかって稲本を起用したい。スタミナが求められるポジションだけに彼を交代させる事と4-2-3-1にして守備力を補強する采配は常に伏線においておきたい。今野や阿部も悪くは無いが、ヨーロッパの選手と渡り合ってきた経験値を考えると稲本が最も適任者と言えるだろう。


右サイドバックは攻撃的な内田ではなく守備を重視して徳永を起用。徳永はスピードもあり対人能力も高いので、リヨンのレベイエールと同等の働きを求めたい。攻撃参加をしない訳ではないが、世界的に優れたアタッカーが揃う左ウイングのポジションの選手を押さえるという事を前提にした時にここにはある程度耐え抜く強さが必要不可欠だと思われる。


左サイドも本来は守備重視としたいが、攻め手が更に少なくなる事を避け、彼の驚異的なスタミナにかけたい。長谷部を左寄りにしているのも彼があがったスペースをケアさせる為でもある。


CBとGKはもう鉄板だろう。


という事で観てもらえたらわかると思うが、


私が最も理想とするサッカーの中に、私が最も大好きなサッカー選手は含まれない。


舞台はW杯である。


そこで勝ちあがる事を狙うのであればやはり守備的な意識は必要不可欠。その意味で4-1-2-3をチョイスするのならばインサイドハーフには必ず守備面での貢献が光る選手を起用しなければならない。要するにボランチとしての経験が豊富な選手でなければ厳しいということだ。そうなると、中盤に俊輔のポジションは無い。更に、サイドのポジションもサイドハーフではなくウイングとして起用する以上、スピード、ドリブルに魅力があり、且つ得点力も求められる。スピードは遅く、ドリブラーでもなく、流れの中からの得点が少ない俊輔をそのポジションでは使えない。


そうすると、ポジションが無いのだ。


純然たるパサータイプの俊輔をサイドに置く事は必然、攻撃に時間をかける事になる。仮に前目にポジションをとっていて、カウンターで俊輔が1人抜け出したとする。これが石川や岡崎ならスピードを活かしてシュートまではいけるだろう。だが、俊輔では、ボールをキープして味方の攻め上がりを待つ事になってしまう。結果から言えば、DFが準備を整えられる猶予を与えてしまっている事になる。


という事で、大好きな選手だが、私の観ていて楽しいと思えるサッカーの中では居場所を見出せないのだ。


しかし、サッカーは11人だけで戦う訳ではない。交代も含めて戦う訳であって、リードした状態、追いつかなければならない状態と後半における考え方は状況によって様々だ。


かつて、この交代策の失敗で泣いた事は多々観てきた事であり、いかに修正できるかは勝点を拾う大きな要因となってくる。


この時に初めて俊輔の力は有効に使う事が出来ると思うのだ。


仮に日本がリードしたとする。この時に、ボールキープする事に長ける俊輔の存在意義がある。そして、前半に失点して後半での得点が絶対条件となった場合におけるスペシャリティな能力はピッチに幾らでも置いておきたい。FKという武器はアシストでもCKでも有効な武器であり、合わせるという点においては本田の破壊的なキックよりも信頼性が高い。その場合、何処で使うのかという事になるが、左サイドに置くほかないだろう。


ただ、空き放題右に左に動き、玉突き事故を起こされては守備面での損失が大き過ぎる。という事で役割は明確にしたい。あくまでも左に張って上下するクロサーとしての役割を与えるべきだ。機動力に富む長友や長谷部のサポートもあれば効果的なボールをゴール前に送り込む事が可能だろう。


この様に使い方さえ間違えなければ俊輔の武器である精度の高いプレーで世界を驚かせることは十分に出来るだろうと思われる。


問題は選手任せにしてジーコと同じ轍を踏もうとしている岡田にあるだけで。


他の交代選手の内、1つは、守備的な部分と万一に備えて残しておきたい。


そして、もう1つはFWの交代となるだろう。安心して観ていられる控えのCBがいるならばトゥーリオのFW起用という選択肢も日本にとっては大きな武器となる。しかし、岩政もほとんど試されず他の控えは、かつて脆弱さを見せた阿部、代表ではCBでほとんど起用されていない今野がいるくらいで心許ない。


得点が欲しいのであれば、高さという部分では平山。そして、森本が余りに得点機会を得られないのであれば岡崎を移して、右に石川をスイッチするという手もあるだろう。本田を右に入れて、憲剛を中盤に置くという手もある。遠藤よりも憲剛の方が機動力があるので憲剛をチョイスする。プレースキッカーは本田がいて俊輔がいれば十分だろう。玉田もサプライズを生み出す力があるだけに右で起用する意味は大きい。


そして、守備的にかまえたいのであれば右ウイングに内田を起用する手もある。彼の攻撃力は石川に次ぐ攻撃力だと思う。ただ、サイドバックでは攻撃機会が少なく、また最終ラインから上がっていくスタミナの消耗は確実に精度を奪う要因にもなりえるし。その意味で内田をウイングとして起用する意味は大きくあるだろう。


この様に4-1-2-3をベースに考えてきたが俊輔が中心なのではなく、サイドアタックを中心とするという考え方が何よりも大事だろうと思う。その中であえて中心選手をあげるのであれば本田と石川という事になる。


だからといって、スタメンではないから俊輔が不要という事でもない。あとは、日本人同士コミュニケーションが容易である点を岡田に発揮してもらい説明して理解を得るだけだ。


ちなみに、最も日本代表が用いるシステムは4-2-3-1であり、そのシステムにおいてもベストの布陣を模索するに当たり俊輔のポジションは見出せない。俊輔は右サイドで使われているが実質はトップ下の様なプレースタイルを見せる。


結果として、守備のバランスを崩し、攻撃においても先に書いたように玉突き事故を起こす事になる。


サイドには縦に抜けるプレーが純粋に上手い選手を置かなければ、攻撃にスピードは出ない。それがより上のレベルの戦いでは必要だと思われる。そして、トップ下で働く為にはトップ下でボールキープする力強さが必要だが、これも本田には敵わない。本来であれば俊輔のプレースタイルはボランチ的であり、ダブルボランチでプレーさせられるのであれば何の問題も無かったのだが、それは今更望むべくも無い。


という事でやはり俊輔をスタメンに置くよりも、他に良い手がすぐに思い浮かんでしまうというのが本音なのだ。


俊輔をスタメンとして使わなければならないと純粋に思える為に必要な事はクロサーとしてのプレースタイルを高める以外にない。Jリーグでは10番としてのプレーを楽しむ事が出来るだろうが、世界、特にW杯においては駒の一つとしてプレーする事が何よりも大事である。


それが出来るならば、4-2-3-1の左アタッカーとしての道も開けるだろうし、スタメンの座も残るだろう。


しかし、それが出来ないならば、俊輔が戦犯にまつりあげられてしまう恐れが高い。岡田は何がどうであれ、今さら為す術を持たずに、俊輔に頼るサッカーを貫く事は間違いないだろう。その時に責められる俊輔を見るのが辛い。何故、優秀な監督の下、俊輔がW杯を戦えなかったのだろうと始まる前から悔しい思いでしかない。


残り2ヶ月ちょっと。


ストラカンの元で培ったサイド半分で有効な動きを示したあの一番輝いた時代を思い返して欲しい。


それこそが彼が活きる道なんだから。



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