今日、仕事場に、元セフレがやってきた。
彼女との出会いは、数年前に遡るが、忘れもしない。
俺は何年も前のある夜中、急に思い立ち、電話をかけて、女性を呼んだ。
初対面の女性を家に呼んだのだ。
言わずもがな、
デリヘル嬢のことである。
彼女は、目はパッチリとして大きく、オリーブ色に染めた髪が美容師ならではの魅力を醸し出す、明るく気さくな女の子。
本来の業務を超えたサービスに発展し、それに驚きつつも、感動を与えられた俺は彼女の電話番号を聞いた。
本名もついでに聞いたが、偶然にも俺と同じ苗字だった。それ程、多くはない俺の苗字と一緒という偶然に運命的なものを感じつつ、2人は、その後何度か食事などを共にした。
お酒が好きで、ついつい羽目を外しがちな彼女についていけず、徐々に距離を置く事となった。
ただ、その彼女は稀に連絡をしてくる。
俺にお客さんを紹介してくれる為に。
しかし、直接会うことは無く数年の日々が過ぎた。
突然今日連絡があり、彼女自身が俺のお客となって現れた。
彼女の胸の谷間が見える格好に、かつての思い出を頭によぎらせつつも、仕事に集中。
いや、集中などできない・・・。
一度抱いた女性が、数年ぶりになって目の前に現れると、あらぬ妄想をかきたてられるのは男の性だろうか。
仕事を終えても、なかなか帰らない彼女に、今夜はご馳走して欲しいのか、という空気を感じつつ、それでは仕事後にアポがある彼女に申し訳がたたないと、葛藤する。
たまには、いつもと違うのも・・・、などと。
それでも、俺の心は今日に関しては堅かった。
彼女はまた連絡すると言い帰っていった。
その内、また会う時に、俺の心は持つだろうか。
表現は悪いが、おいしそうなものは食べてしまいたくなるのが男というもの。
結婚式はあと数ヶ月後。
余計なトラブルは起こさない。
その為にも強く意識を持たなければならないと深く感じた夏の夕方の出来事だった。